神奈川絵美の「えみごのみ」

立春の調べ 2015

ここ関東では明日、雪の予報も出ているけれど
暦の上ではもう立春。

今までも何曲か、自分なりに「春の訪れ」を感じる音楽を
この時期、紹介してきた。
今回は…… まずはちょっとでも、聴いてみてください!



私の愛してやまない、トミフラことトミー・フラナガンのピアノ。
どのくらい愛しているかというと、
私が年老いて働けなくなったときに、トミフラのピアノと、文楽の義太夫節と、
あと少しのお気に入りの音楽を一日中聴いて過ごせるなら、
他には何も要らない、と思うほど。

この曲は8分近く、そこそこ長さがあるけれど、
実はずーっと同じコード進行を繰り返しているだけ。
冒頭のソロに続いてと、最後にテーマがある以外、トミフラのアドリブだ。

ジャズピアノって、下手な人がアドリブを弾くと、
すぐ「ネタ切れ」になってしまい、
私だと2分足らずで飽きてしまう。
でもこの曲は、8分があっという間。
トミフラの「引き出し」が、とにかく多いのだ。

エラ・フィッツジェラルドをはじめ、ジャズのビッグネームの
バックも数多くこなしているトミフラは、
決して「自分が、自分が」とゴリゴリ強く主張はしないけれど、
リリカルで、センスが良く、一音一音がキラキラと
雨上がりの水滴のように、あるいは、小さい花の花びらを照らす
陽の光のように、軽やかな彩を見せる。

小さきものも、日なたに出さえすれば、暖かな日差しは平等に
降り注ぐもの。
その「日なたに出る」ためのあと一歩を、
音楽の力を借りて、踏み出せるのなら。

コメント一覧

神奈川絵美
セージグリーンさんへ
こんにちは
伴奏って本当に「向き、不向き」があると思うし、
伴奏ならではの(ソリストに対する)心遣いが
あると思います。
おっしゃる通り、ソリストの呼吸を読まずにただ弾く、
とか、自分のペースで弾くのは、伴奏向きでは
ありませんよね。

そういう意味では、トミフラはバックもリーダーも
そつなく、職人肌なんだろうなあと思います。
セージグリーン
トミー・フラナガン、私も大好きです。
お書きのように、音色はきらめくようでいて出過ぎず、アドリブの引き出しが多くて飽きませんね。

ソロが主体のピアニストに伴奏をお願いすると、ややもすればピアノ独奏にこちらがちょっかいを出しているようになりかねません。
ヴォーカリストをしっかり見ながら、聴きながら伴奏してくださる先生が、有り難いです。
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