暦の上ではもう立春。
今までも何曲か、自分なりに「春の訪れ」を感じる音楽を
この時期、紹介してきた。
今回は…… まずはちょっとでも、聴いてみてください!
私の愛してやまない、トミフラことトミー・フラナガンのピアノ。
どのくらい愛しているかというと、
私が年老いて働けなくなったときに、トミフラのピアノと、文楽の義太夫節と、
あと少しのお気に入りの音楽を一日中聴いて過ごせるなら、
他には何も要らない、と思うほど。
この曲は8分近く、そこそこ長さがあるけれど、
実はずーっと同じコード進行を繰り返しているだけ。
冒頭のソロに続いてと、最後にテーマがある以外、トミフラのアドリブだ。
ジャズピアノって、下手な人がアドリブを弾くと、
すぐ「ネタ切れ」になってしまい、
私だと2分足らずで飽きてしまう。
でもこの曲は、8分があっという間。
トミフラの「引き出し」が、とにかく多いのだ。
エラ・フィッツジェラルドをはじめ、ジャズのビッグネームの
バックも数多くこなしているトミフラは、
決して「自分が、自分が」とゴリゴリ強く主張はしないけれど、
リリカルで、センスが良く、一音一音がキラキラと
雨上がりの水滴のように、あるいは、小さい花の花びらを照らす
陽の光のように、軽やかな彩を見せる。
小さきものも、日なたに出さえすれば、暖かな日差しは平等に
降り注ぐもの。
その「日なたに出る」ためのあと一歩を、
音楽の力を借りて、踏み出せるのなら。
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神奈川絵美
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