楊洲周延は、明治20年代~おもに美人画で人気を博した浮世絵師。
あの歌川国芳に師事したこともあったそう。
明治時代に関して、私の大雑把な知識では
初期は倹約令が出るなどで着物も地味だったけれど
そのうち富国強兵の流れで上流階級の人は
洋装も取り入れた華やかな装いを楽しんでいたような。
周延は、その上流階級の女性たちをおもに、
江戸時代へのオマージュも込めて描いていたよう。
また、明治も時代が進むと、それまではご法度だった
かつての大奥の様子を描いてもよし、となったそうで
そんな武家のならわしもよく題材にしています。
こちらは、福つくしというシリーズの中の一枚。
色鮮やかで、着物の柄も端正で美しく、
じっと見入ってしまいました。画像はありませんが
バッスルスタイルと呼ばれる洋装の女性の絵もあって、
やっぱり江戸時代の浮世絵とは違うなあ、と。
役者絵も健在。
ただ…
これは個人の感想なのですが
この方は、着物の描写は素晴らしいの一言なのですが
顔は割とみな、同じように見える……(すみません)
当時、大流行したといわれる「真美人」シリーズの一枚。
蝙蝠と呼ばれた傘とか、この作品ではありませんが
眼鏡をかけた女性とか、肩上まで髪を切った女性とか
やはり明治を感じさせます。
浮世絵の衰退を案じ、伊東深水や川瀬巴水を見出した
渡辺庄三郎が台頭したのは、このすぐ後の時代のようですね。
周延の版元は、 福田初次郎が多かったかな。
明治初~中期は新興の版元がたくさん、参入したようです。
どっぷり江戸時代とはちょっとテイストの違う
明治ならではの文化を反映させた浮世絵に興味がある方は
一度ご覧になると面白いかも知れません。
こちらの公式サイトはコチラ。2月5日までの開催です。
500円で気軽に観られるのもいいですね。
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