過去に観劇や食事会等でご一緒した方は
私が細かい割り算や足し算をすすんではしたがらないことに
お気づきかも知れません。
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祖父は某地銀の専務。
父はフリーの証券マンで、バブルのころは
ブリーフケースに札束ぎっしり
持ち歩いていたというし(ホントかなあ)、
弟は大手専門商社の経理畑。
亡母も結婚前は銀行勤務。
そんな家系にあって、なぜ私だけ
「1、2、3、……たくさん」で
勘定を済ませようとする人間になってしまったのでしょう
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そんな私に、N経から
こともあろうに
医療経済に関する
取材記事の仕事が回ってきました。
N経なのに経済の知識、ほぼゼロ。
しかも、取材先は見た目厳しい感じの学者さん。
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読者は一般のビジネスパーソンだから、同じ目線で 云々……と、
長い付き合いの、編集のK女史。
……というわけで、先週はずっと、
その学者さんの寄稿や著書を読みながら、
うーん、うーんとうなっていました。
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そして取材当日。
オンラインなのでまずは一言ずつ自己紹介を、ということになり、
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咄嗟に判断した私、
「医療経済の取材は初めてとなります。よろしくお願いします」とだけ言ってみました。
すると、画面越しの学者さんの眉がわずかに「ぴくっ」としたような……。
で、どうなったかといえば、
その先生、とても丁寧に、できるだけ平易な言葉で経済を語ってくださり、
そこへ、私が「先生のご著書にはこうありましたが」とか、
ご著書で知った専門用語で相槌をうつと、
「そうです、その通りです」と嬉しそうにしてくれたりして、
雰囲気良く、何とか記事で求められる深さの内容は、伺うことができました。
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でも先生、丁寧になりすぎて、
医療系の用語までかみくだいて話してくださり
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今までにも、純粋に医学だけとはいかず、
歯学、薬学は当然のこと、介護、保健、生物学、化学、統計学、
栄養学、心理学、社会学……etc.
さまざまな分野とクロスオーバーした仕事をしてきたけれど
“敬意を持って、できることをやる” 結局はこれに尽きるような気がするなあ。