朝食後、タケさんと川の水位を見に行きました。淡竹を掘る竹林を抜けるとすぐ川に出ます。7~8メートル程の深さの川で、いつもは護岸から覗き込まないと、底の水が見えないのですが、昨日の朝は、護岸ギリギリのところまで水位が上がっていました。今朝は護岸から1メートル位まで、水位は下がっていました。昨夜はずいぶん激しく降っていたのに、水位が思ったより低いのでおどろきました。でも護岸のところで見渡すと、昨夜は川の水が1メートル位護岸からあふれたことがわかりました。護岸には昨日は見られなかった泥が1センチ位残っており、50センチ位の丈の雑草が、川下の方に傾いています。海が近いので、干潮になるとかなりの力になり、水の流れが強くなるのでしょう。その時水没していた草が傾いたのだと思います。お昼ごろが満潮なのでこれから少しまだ増水するかもしれませんが、大丈夫そうです。(5年前、我が家は床下浸水しました。)
竹林の中を家に戻りながら、淡竹を探して掘り上げます。もうこの時期になりますと、細いのばかりで美味しそうではありません。竹になってしまうと、込み合って強い風が吹いたりすると倒れてしまいます。1本1本の竹が十分に根を張れるように、間引く必要があります。軟らかい淡竹のうちに取ってしまうのが、一番効率がいいように思います。
今日は、西の「榎広場」で筍掘り。淡竹が今最盛期です。庭にブロックを積んで簡単なかまどを作りました。廃材や枯れ枝で茹でました。今夜は、筍のてんぷらです。
この淡竹のことについては、長いお話があります。10年前の梅雨の終わりごろのことです。我が家の畑の中に、竹が何本か出現したのです。西隣が竹やぶになっていました。その隣の竹が越境してきたのでした。これは大変とタケさんと二人で、竹の根を掘り始めました。根はくねくね曲がり、アップダウンして掘りあげるまでには、二人とも汗びっしょり。でもほっておいたら、何年か後には我が家の畑は、竹薮になってしまいます。それでは大変と、竹との悪戦苦闘を毎年繰り返していました。
6年前の今頃のことでした。東隣の休耕田にも竹が侵入してきました。2~3センチの細い竹がところかまわずツンツンと出てきています。ある朝、試しに掘りあげて、味噌汁に入れてみました。取立てだったのでアク抜きしなくても、その美味しいこと。孟宗竹の筍の淡白な味とは違うのが、とても気に入りました。
筍は柔らかなので、スコップで簡単に掘りあげられます。竹になってしまうと硬いので、専用ののこぎりで切らなければなりません。また切った竹をどうするかという問題もあります。休耕田の淡竹を1本も竹にはしないように、筍のうちに掘ってしまおうと、その年は毎朝のように掘りあげて、味噌汁、炊き込みご飯、煮物にして楽しみました。その翌年から東隣の休耕田には淡竹は出ませんでした。
それまでは竹の根を掘りあげなければ、効果がないと思い込んでいたのです。でも柔らかな筍のうちに掘り上げて、根に栄養が行かないようにして、竹林を我が家の敷地からできる限り放すようにすれば、いいのではないかと思いつきました。けれどすでに竹林は、人が入れないほどに荒れ果てていました。手入れをしていないので、密集しすぎて根が浮き上がり支えられなくて、倒れて密林のようになっていました。そこで倒れた竹を集めて燃やすことから、始めることにしました。竹の焚き火は冬の仕事です。
4年目の冬が終わり、竹林は以前よりは楽に人が入れるようになってきました。でも奥の方はまだ荒れています。それでも少し太めの淡竹が採れるところまで、入れるようになりました。
この季節は、毎朝竹林の見回りををしなければなりません。込み合いそうなところは掘り上げて、間引かないといけないのです。