カントウタンポポの咲く庭で

カントウタンポポの咲く草だらけの庭で
 猫のそらちゃんと竹さんとの3人暮らし!

雨の日の猫 3

2009-09-21 23:12:07 | 雨の日の猫(エッセイ)

 その日の夕方「西側の薪置場が新しいクタの家らしいよ」と彼が教えてくれる。畑仕事の時通りかかったら、たまたまクタの乳を二匹の子猫が飲んでいるところだったと言う。遠くに行ってしまったのではないとわかって、ほっとする。それにしてもわが家の庭には、猫が子育てをするのに適した場所が結構あるものだと感心する。クタも、よく探しだすものだとまた感心した。

   クタの新しい育児室は、西側の普段使っていない部屋の窓からよく見える所で、私たちは昼食後-一時間近くも、クタに判らないように気を配りながら過ごしてしまった。

  二匹の子猫は全体は黒いのだが、手や足,腹の方はグレイというか白っぼいのだということや、ニ:匹がほとんど同じで区別がつきにくいということ等がよく判った。ただ性格には違いがあるようで、尻尾の短めの方がどちらかというと積極的なように見受けられる。もう一匹の方はどうも臆病なところがあるようだ。


雨の日の猫 2

2009-09-17 23:43:58 | 雨の日の猫(エッセイ)

  クタは、私たちの気づかないうちに、居間の床下で出産していた。そのことがわかったのは、床下への出入口から何回も出たりはいったりしていたのを見ていたし、また、床下で子猫らしき鳴き声を耳にしていたからである。ぞの後,4回引っ越しをしている。

昨日の朝、 「どうもまた引っ越ししたらしい」と彼が言う。煮千しと牛乳のごはんを食べた後、いつもなら真っ直ぐ子猫の所に帰るのに、どこか違う方へ行ってしまったと言う。どうも私たちの覗き見をクタは嫌ったらしい。  渡り廊下の床下の物入れや、薪などが雑然としているところにころがっていたダンボールを上手に使い、4軒目の住居にしていた。

 洗面所の窓や私の仕事部屋の窓から、密かに子猫とクタの様子を観察しては楽しんでいたのだが。前夜は、子猫がべランダの方まで出てきて、2匹がじゃれあって、クタがそばでそれを見守っていた。

夜目にも楽しそうな風景だった。ふとした瞬間的にクタと目が合ってしまったのがいけなったのだろうか。子猫達を私たちに、正式に紹介してくれるようになるのも、もうすぐだねと楽しみにしていたのに。


雨の日の猫1

2009-02-20 22:43:44 | 雨の日の猫(エッセイ)

625

  夕方からの雨が激しくなってきた。風も強く、雨が吹き込む。戸を締め切ってはみたものの、蒸し暑くそっと細めにガラス戸をあげる。雨の中を黒猫のクタがまた遊びに来ている。子猫達をほっといていいのだろうかと、心配になりながらも、雨のためにびっしょ濡れになったクタを、撫でてあげるのはちょっといやだなと、気がつかない振りをする。

  時々鳴き声や、ガラス戸に爪を立てたりするのが聞こえる。仕事を終えた武一さんがグラスを手に、風の音に耳を傾けていたが、「子猫も来ているみたいだ。」と言う。いそいでカーテンをあける。ガラス戸の向こうに親猫のクタと、熊のような顔をした黒い小さな子猫の顔が見える。母猫のクタは、初めてわが家にお目見えしだ時には、タヌキの親戚のような顔をしていた。成長ずるにしたがって、タヌキらしい風貌も消失し、今度は黒猫らしからぬクルクルお目目がトレードマークになってきたのだが。この親子は幼少時は、どうも猫には見えないらしい。 二匹はl5センチ程の縁先にちょこんと乗って、クタは誇らしげに、子猫は珍しそうに家の中を覗きこんでいる。 「あれ、もう一匹は連れて来なかったのかしら」と覗きこむと、床下で黒いものが動いている。

  そう言えば、子猫が生まれてから推定約七週間。いろいろ大変なことがありました。その大変なことはいつも雨の日に起こりました。まず、出産。そもそも、子猫がいつ生まれたのかは、はっきりとはわかっていないのです。私たち二人の推理では513日。その前日あたりから、母猫のクタが、普段とは違う振る舞いをするようになった。


はじめに

2009-02-19 23:02:28 | 雨の日の猫(エッセイ)

 我家には以前クタという猫がいました。私はこのクタとのお付き合いが、いわゆる猫族とのお付き合いの初めでした。その頃クタを日記風に記したエッセイを、これから時々載せていきたいと思います。