会社勤めであれ仕事をしていると、日常の業務に疲れ果て、精々アフター5に酒を飲んで、上司への批判や取引先への非難をはじめとする仕事の愚痴に管を巻くくらいで、仕事以外に何ら為すべき事を持たぬ人間もいる。
仕事をして収入を得る以上、その職務を誠実に務めるのは当然のことだが、個人として、職務時間外の自らの時間をどう過ごすかは自らを形成してゆく上で非常に重要である。この時間に如何なる努力するかが、語るに足る人間たらんとする最低条件だと思うのである。
語るに足る人間であるには思想・哲学があらねばならぬ。主義・主張ではないのである。ましてや共産主義、社会主義、民主主義といったイデオロギーではないのである。
私がここで云う思想・哲学とは、自らの耳で聞き、目で見、舌で味わい、手で触れ、肌で感じ、そうした行動の結果の思考の果てに得る、社会、人間、人生について、人に語り得る思いである。
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