秋の夜長?に、またまたイソップ物語です。
イソップ物語267「羊飼と犬の中で育てられた狼」
羊飼が生まれたばかりの狼の仔を見つけ、拾って帰り犬と一緒に育てた。成長すると、狼が羊を奪いに来た時には、犬と並んで追いかけるようになった。そして犬たちが狼に追いつけず、すごすご引き返しても、彼だけは追いつくまで追跡して、同じ狼だというので、獲物の分け前に与かってから、戻って来るのだった。狼が外から奪いに来ない時には、自分でこっそりと羊を殺し、犬と一緒になって食っていた。しかし遂に、羊飼が見当をつけ、彼のしわざを見破って、木に吊るして殺した。
悪しき生まれつきは善き性格を育てない、ということをこの話は説き明かしている
イソップ物語325「雲雀と農夫」
雲雀が若草の中に巣を営んでいた。明け方には黒頭雲雀の囀りに唱和し、すでに冠も生え羽根も強くなった雛を、麦の葉で育てていた。
畠の主が見回りに来て、黄金に色づいた稔を見ると、
「取り入れに仲間の衆を呼び集める時だ」と言った。冠を生やした子雲雀が一羽、これを聞いて父親に告げ、自分たちをどこに移すか考えてほしい、と頼んだ。父親はしかし、
「まだ逃げなくていい。仲間を頼りにする人は、そんなに急いでいないものさ」と言うばかり。
畠の主が再びやって来て、麦の穂が陽の光を浴びて、はやこぼれそうになっているのを見ると、次の日刈り手を雇うこと、束の運び手も雇うことを段取りした。すると雲雀が幼い子らに言うには、
「今こそ本当にここから逃げる時だ。仲間を当てにせず、自分で刈るというのだから」
自戒
325に、ふ~む