カンテレあんさんぶる

音楽の真髄に触れて

フィンランドで開催された”クフモカンテレキャンプ”から札幌に戻って1ヶ月が経ちました。今までに6回のキャンプ経験をしていますが、今回ほど音楽的な面で刺激があり、私の音楽観に於いて確固たるものが沸々と湧き上がったことはありませんでした。それは ”音楽の真髄” に触れることができたからです。

私達は5弦カンテレのワ-クショップに参加しましたが、先生は Alja kastinenでした。
昨年このキャンプに参加した時、Alja先生の5弦カンテレのリサイタルを聞きました。ソロコンサ-トで使用する楽器が5弦カンテレだけだなんてどんなコンサ-トなのだろうと思いましたがそれはとても素晴らしいものでした。
5弦カンテレ1台で弾いたり、チュ-ニングの違う5弦カンテレを2台、3台と並べて演奏したりしました。

そして今年のAlja先生のワ-クショップ。即興演奏がメインでした。それぞれにペアを作り自由に二人で即興演奏をするのです。事前の講義(和声学)など何もありません。それこそ自由に弾くのです。新鮮なレッスンでした。

その後、Alja先生の個人レッスンを受けた人からこんなことを聞きました。

インプロ(即興演奏)は自由に弾いていいのよ。どんな音も間違いではなくそれはあなたの中から出てきた音なのですよ。と

私達日本人は即興演奏といえば 和声にのっとって何拍子にして調性は などと事前に色々なことを考えすぎます。そんなこと何も要らないのです。

そういえば思い出したことがありました。
私の長女が小学高学年の頃に作曲家に師事した事がありました。親の欲目でピアノを習っているのであれば和声学も身に付けて欲しいという思いからでした。
で、2年ほど娘はレッスンに通っていました。私は和声学を娘に教えて欲しかったのですがその先生は娘に”何でも良いから曲を作って来なさい”と言われ娘は毎日何曲も作曲をしたことがありました。
その先生も”作曲は別に和声学など要らない”とおっしゃいました。その時はその先生の指導の仕方に不満がありましたが、今にして思えばこういうことをその先生も教えたかったのではないかと思いました。

Alja先生のレッスン、キャンプに参加しこの先生に指導を受けた人達はそれぞれに音楽の真髄に触れ大きな収穫と共に日本に戻りました。
きっとこれからもカンテレを学び続けていくことと思いますが、この時の感動を忘れずにこれからも精進していくことだろうと思います。

さてそのAlja先生の演奏、下記のアドレスから聴くことが出来ます。ホ-スヘア(馬の毛)弦で弾いたものやブロンズ弦で弾いたものなどあります。是非聞いてみてください。
http://www.myspace.com/arjakastinen

またAlja先生の演奏スタイルはちょっと独特です。

床にカンテレを置き足をカンテレと必ず接触させて演奏します。足でカンテレの振動を感じながら弾くのだそうです。
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