犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

お店の前で

2013年09月23日 | おせわがかり日誌


ある晴れた日。

本屋さんの前につながれた黒い柴犬。

はあはあはあはあ、苦しそう。




近づくと尻尾を振って手を舐めるような気のいい子だったので、

頭、体に、触ってみると、ああなんてことだろう、日光を浴びた河原の石のように熱い。

かわいそうに。




しばらく一緒にいて、でもまだ、飼い主は現れない。

リードはおもりのついたのぼりにくくりつけられていて、しかも余裕がなくて、移動範囲が狭い。

黒い毛におおわれているのに、日よけもないところで、たとえ数分であっても、犬の体は燃えるように熱くなってる。

このままじゃ、熱射病になっちゃう。




誰かに怒られてもいいや、飼い主に文句言われてもいいや、な気持ちで、

隣接する喫茶店の看板を黒柴ちゃんの体を覆うようにずらした。

黒柴ちゃんは分かったのか分かってないのか、相変わらずはあはあはあはあ言ってるけど、多分、分かってくれたと思う。

怖がることもなく、看板の影にいてくれた。

飼い主さんよ、犬をつなげてどっか行くのはいけないことだよ。

もしそれで、犬が行方不明になっても自分の責任だ。

でも、その前に、せめて待たせるのなら、日の当たるところでなく、涼しい日陰にするべきだ。

黒柴ちゃんは文句も言わずに待っていたけど、地面も熱くて、逃げ場がなかったよ。

かわいそうだったよ。

お願いだから、もうやめてね。

そんな気持ちを込めて、看板をずらした。

伝わっていたら、いいんだけど。