ずっと前に友達と丸の内の映画館でみた「シャイン」という映画。
わたしはこの映画でたぶんはじめてジェフリー・ラッシュを見たのだけど。
この映画は珍しくラフマニノフの2番でなく3番がテーマになっている映画。
2番は「風と共に去りぬ」のメラニーことオリビア・デ・ハピランドの妹で、
ヴィヴィアン・リー夫のサー・ローレンスと共演した「レベッカ」が有名な、
ジョーン・フォンテーン(東京生まれ東京育ち)と「第三の男」などの渋い脇役がはまってる、
ジョセフ・コットンとの映画「旅愁」で登場する音楽だ。
ちなみにこの旅愁ではのちに「ドライビング・ミス・デイジー」で、
最年長アカデミー主演女優賞をとったジェシカ・タンディも出ていて、
ジョーンも「断崖」でオスカーをとっているので、ふたりのオスカー女優が出ている映画だ。
「旅愁」自体は音楽が印象的で美しいのだが、同じイタリアを舞台にした中年の恋物語でいうと、
キャサリン・ヘプバーンの「旅情」と比べると、軸のない恋愛メロドラマ感が否めない。
でもやはりラフマニノフの力なのですね。見ごたえ感はあるのです。
で、私はこの「旅愁」でジェシカ・タンディ演じるもっともぐっとくるシーンで、
ハエがぶんぶん飛ぶことに、妙なリアリティを感じました。
うん、結婚とはそういうものだ。
ちなみにラフマニノフの2番は、マリリンのモンローが、
地下鉄でスカートをはためかせる、7年目の浮気でも登場する。
2番ではまだ、ラフマニノフは、苦悩のまっただ中にある。
ところが3番では、長い長い苦悩のトンネルを抜け、光が見える。
美しい、歓喜と安らぎの世界を、垣間見せてくれているのだ。
天国のように美しい音楽。ああ、そうだ。
「シャイン」でも、主人公のパパがそう言ってた。
「この世で最も美しい音楽はラフマニノフの3番だ」って。
もし真央ちゃんが、まだ競技を続けてくれるとしたら、
苦悩を超えて、よろこびの世界に到達した、ラフマニノフの3番の舞をみて、涙したい。
ということは、フリーの振り付けは、またタラコワ先生だわね。
ショートはローリーに何たのもうかなあ。
明日までに思いつくかしら。