日本の外科系専門医、ことに若手心臓外科医は困難な立場にあると思う。
一般に、日本の心臓外科は諸外国に比べ病院数が多いため、症例が分散し、医師一人あたりの手術数が少ない傾向がある。
さらに合併症を有する困難な症例の割合が多く、若手外科医の研修は困難になりやすい。若い心臓外科医が執刀するのに適した症例数は多くないのである。手術機会に恵まれた研修施設は良いが、熱意はあるのに手術機会に恵まれない医師は国外にそれを求めることになることは容易に想像できよう。
他の臨床科の医師の留学は研究目的も多いが、心臓外科はそのような状況から研究だけでなく臨床目的で米国、ドイツ、オーストラリア、シンガポールなどの基幹施設への留学希望が多いようである。
現地の国家資格を必要とする米国で正規職員として採用されるには幾多の困難がある反目、地位が確立され多くの手術を担当できる。一方、現地での試験なしで臨床参加が可能な欧州諸国は指導教授との関係や運頼みの要素が非常に強いのは否めないだろう。
ここウィーンにもかつて何人かの日本人心臓外科医が来ていたが、制度が変わった近年は招聘教授しかいなかったようだ。
ここでは、高度な研究施設を有する大学病院という特徴からなのか、いわゆる手術助手専属となるような外人フェローはいない。第一に自国の若手医師が十分に在籍している。
ウィーンでは自国の医学部を卒業し、医師になっても職に就くのはかなり困難な状況である。毎年3000人程が医学部に入学し、600―800人くらいが卒業できるらしい。かなり淘汰されるが、さらに卒業しても職がなくいわゆる「就職浪人」となる者が大半である。彼らは競争の低い郡部に行くか、免許がそのまま有効なEU諸国、医師不足の東欧諸国などで職を求めることになる。聞くところによると、この背景も近年の第三国からの医師流入を妨げる一因らしい。
現在は最近来た東ヨーロッパ諸国から医師とドイツからのローテート医師が合流しているが、彼らも短期間の滞在ようだ。つまりここでのポジションは得られない。そんな環境で留学しているが、幸いにも自分に大きな影響はないようだ。
しかしながら、運頼みでない有意義な外科医の臨床留学にするには、事前準備が大切だと思う。
後から考えると、語学、医学ともに実力があるなら米国で正規研修がベストではなかろうか。そこまで力がなくてとも語学試験を通るならばオーストラリアもいいのでは(又聞きなので試験の詳細は知らないが...)。
ドイツ語ができれば試験なし(面接のみ)でドイツ国内での正規もあり得るかもしれない。ドイツのある教授に「スタッフとして仕事をこなせる語学力があれば採用出来るよ」と個人的には言われた。
試験なしの東南アジアは、施設によるだろうが、運頼みかもしれない。
やはり、入念な事前準備が大切。
一般に、日本の心臓外科は諸外国に比べ病院数が多いため、症例が分散し、医師一人あたりの手術数が少ない傾向がある。
さらに合併症を有する困難な症例の割合が多く、若手外科医の研修は困難になりやすい。若い心臓外科医が執刀するのに適した症例数は多くないのである。手術機会に恵まれた研修施設は良いが、熱意はあるのに手術機会に恵まれない医師は国外にそれを求めることになることは容易に想像できよう。
他の臨床科の医師の留学は研究目的も多いが、心臓外科はそのような状況から研究だけでなく臨床目的で米国、ドイツ、オーストラリア、シンガポールなどの基幹施設への留学希望が多いようである。
現地の国家資格を必要とする米国で正規職員として採用されるには幾多の困難がある反目、地位が確立され多くの手術を担当できる。一方、現地での試験なしで臨床参加が可能な欧州諸国は指導教授との関係や運頼みの要素が非常に強いのは否めないだろう。
ここウィーンにもかつて何人かの日本人心臓外科医が来ていたが、制度が変わった近年は招聘教授しかいなかったようだ。
ここでは、高度な研究施設を有する大学病院という特徴からなのか、いわゆる手術助手専属となるような外人フェローはいない。第一に自国の若手医師が十分に在籍している。
ウィーンでは自国の医学部を卒業し、医師になっても職に就くのはかなり困難な状況である。毎年3000人程が医学部に入学し、600―800人くらいが卒業できるらしい。かなり淘汰されるが、さらに卒業しても職がなくいわゆる「就職浪人」となる者が大半である。彼らは競争の低い郡部に行くか、免許がそのまま有効なEU諸国、医師不足の東欧諸国などで職を求めることになる。聞くところによると、この背景も近年の第三国からの医師流入を妨げる一因らしい。
現在は最近来た東ヨーロッパ諸国から医師とドイツからのローテート医師が合流しているが、彼らも短期間の滞在ようだ。つまりここでのポジションは得られない。そんな環境で留学しているが、幸いにも自分に大きな影響はないようだ。
しかしながら、運頼みでない有意義な外科医の臨床留学にするには、事前準備が大切だと思う。
後から考えると、語学、医学ともに実力があるなら米国で正規研修がベストではなかろうか。そこまで力がなくてとも語学試験を通るならばオーストラリアもいいのでは(又聞きなので試験の詳細は知らないが...)。
ドイツ語ができれば試験なし(面接のみ)でドイツ国内での正規もあり得るかもしれない。ドイツのある教授に「スタッフとして仕事をこなせる語学力があれば採用出来るよ」と個人的には言われた。
試験なしの東南アジアは、施設によるだろうが、運頼みかもしれない。
やはり、入念な事前準備が大切。