ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

何故だろう?

2007年01月27日 | ウィーン
今日は午後の手術に入った。専属の教授の手術なので、それには毎回必ず入っている。手術予定表には知らないDrの名前も助手の欄にあった。誰だろうと思いながら手術室に入って行ったが、実際には心臓外科医は自分しかいないではないか。

いつも通り消毒をしてグラフト(バイパス手術で使う血管)を取っていると、やや早めに教授が登場。すると教授はナースに誰か医師を呼べと言っている。

しばらくしてその医師が登場した。よく病棟で見かける彼であったが、手術室では初めてだ。結局彼が第一助手をしたのだが、やはり普段手術に参加してないので、この教授の手順や、やり方は全く熟知していないようだ。さらに状態の悪い症例でもあり、スムーズに進まない手術に教授がややイライラしている様子も分かる。

第二助手の位置(術野から遠い)からほとんどの助手の操作をしなければならなかった。腰も痛い。助手をしながら何故彼に助手をさせているのだろうとも思いつつも吻合は終了した。

たまにこの手の思いをすることはある。時には卒後間もない医師に自分がやり方を教えている。それだけは勘弁して欲しいと思うが、今日はそれに比べればかなりましだ。

教授はいつも通り、吻合が終了した時点で握手をして帰っていった。普通まず第一助手、次に第二助手と握手する。今日は第二助手をした自分とまず握手した。教授も彼を助手にして手術するしかなったのだろうことが分かった。

その後、まだ出血は多いが、彼はナースと雑談して手が進まない、というか判断ができないのか。ドイツ語は今だに分からない自分は雑談には参加せず、一人で止血操作をし、かなり状態がよくなったところで降りた。なんだかいまひとつ達成感のない気がする一日だった。
コメント
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