前からちょくちょく吹聴してきた、公道に立ってる電柱トランスから家屋の電力計(メーター)までを、新品SV38ケーブルで直結する張り替え工事がやっと終わった。その目的の先頭ランナーは確かにオーディオ畑を走ってはいるが、効能がそこに限らないのは、これも前から耳学問で喧伝してきた通り。いかなる高級食材も、ボトルネック現象なしの綺麗な水(電源)でもてなさない限り、その品位に応える料理の味を絶対引き出せない。とは、ロスの田口さん曰く。すると一方、オーディオ専用回線以外にブラ下がっている、たとえばハイビジョンTVとか洗濯機とか冷蔵庫もその恩恵に浴すらしい、ということなので、ご近所の皆々様、ワゴン・クレーン車2台、交通整理係さんを入れ8人編成のリトル・ビッグ・バンドによる喧噪が、あくまで省エネ、地球環境を憂慮したあげくの顛末だったのをご理解いただき、この件どうか丸く収めて頂ければと切に真摯に願う次第です。実際のところ、炊飯器のご飯の炊きあがりが前よりふっくらツヤツヤ、冷凍室の野菜がしおれない、など、二度寝の夢にいっぱい出てきて参った。オーディオの方はというと、張り替え直後の音像が、テレビなら「16対9」が「4対3」に戻っちゃった感じに、真っさらな電ケと差し替えた時のショックを思い出したが、「打てば鳴る」官能のデリカシーは、のろまな電ケのはるか上を行く。つまり、エージングという行為に、肌で直感できる「やりがい」が付いてきた。そのお供は、学友Kと一緒にハマった『The Phat Pack/Gordon Goodwin's Big Phat Band』で、僕には中でも6曲目。音の彫りは浅いけど、速度感と付き合うには、これに勝るビッグ・バンド作品もないと思う。