NHKカルチャーラジオ
保坂正康が語る昭和人物史
2月は、赤松俊子さんと吉武輝子さん
昭和一桁生まれの女性
「虎に翼」で、女性は無能力者とされていた時代がある
と知って、驚きました。
女性に学問はいらない、、、結婚して良妻賢母に。。。
という時代に、自立しようとした女性たち。
また戦後、若者がたくさん戦死したことで
独身で給料は男性の半分で生きなくてはならない
女性たちが、たくさんいたこと。
吉武輝子さんが、73歳ころ執筆されたという
『置き去りーサハリン残留日本人女性たちの六十年』
1945年の8月9日にソ連が不可侵条約を破棄して
サハリン(樺太)へ攻めてきた。
かつて女性の電話交換手さんのお話を聞いたことがありました。
引き上げ船で、日本人の民間人は、
すべて帰国したと思っていたのですが
残された女性たちがいた。
祖国に帰れないまま、朝鮮人の人や、ロシア人の人と結婚させられ
子どもを置いて帰れない、、、というので残留した。
夫の暴力にも耐え、生き抜いてきた女性たちの優しさ。
書き残しておかなくてはならない、
という使命感で書かれたようです。
全く知りませんでした。
中国の残留孤児が帰国されたニュースをテレビで見たり
『大地の子』で、その人生を知りました。
でも、サハリン(樺太)のことは、あまり報道もされていない。
北方領土返還・・という声を、耳にしたのは、かなり昔のこと
サハリンへ旅行で行った友人もいますが、
どんどんロシア人が入植してきている現実。
稚内から5時間で行ける距離。
遠くに見えてもいる。
宮澤賢治もかつて、生徒の就職のことで
樺太へ行ったのでした。
戦争による悲劇は、数えきれない。
人の人生を狂わせる、
知ること、真実を知ること、
だんだん難しくなってきているような気がします。

『置き去りサハリン残留日本女性たちの六十年』
吉武輝子 著