kazuの日日是好日

旧フィール・パージュ通信から新たに開設しました。
日々の出来事を綴っていきます。

一気読み

2024-05-17 13:47:12 | 読書

今朝も4:30ウォーキングスタート! 13° 快晴

ひさしぶりの快晴のお天気の中、気持ち良く歩くことができました。

8542歩 6.79km 428kcal 70分

 

さて今日は最近読んだ本の紹介をします。

【姥玉みっつ】西條奈加 〈潮出版社〉

名主の書き役として「おはぎ長屋」に暮らすお麓(ろく)の閑居に

50年前の幼馴染、能天気なお菅(すげ)と派手好きなお修(しゅう)が

転がり込んできた。お麓は歌を詠みながら安穏の余生を送ろうとしていたのだが

二人の幼馴染は毎日かかさず訪れてきては心底どうでもいい話をしゃべり散らす。

何が悲しくて婆三人つるまなければならぬのか・・・・。

ある日、お菅が空き地で倒れた女と声が出せない少女を見つけてきた。

江戸を舞台に三人の婆たちの日常とその周りで起こる悲喜劇を描いた

女性の老後をテーマにした長編小説。

久しぶりに大好きな西條奈加さんの時代小説を読みました。

面白かったですね~個性豊かな三人の婆たちのやりとりが終始かしましくて

楽しそうでよかったです。最初は幼馴染二人が越してきたことで静かに暮らすはずの

余生が壊れてしまうと嘆いていたお麓も声の出せない少女お萩を預かり

三人で育てていくうちに仲の良かった子どもの頃と変わらず情に厚く裏表のない

素直な性格の二人のことを思い出し認めて絆を深めていく姿にほっこりしました。

そしてこれからお萩が成長していく上で必要なこととしてお修は身だしなみ、

お菅は料理、お麓は読み書きなど三人それぞれが得意なことを教えていくところは

経験を積んできた三婆ならではの発想で面白かったです。

賑やかで楽しいストーリーからお萩の素性が徐々に明らかになっていくうちに

声が出せなくなった原因ともいえるお萩の抱えていた辛くて悲しい話に

胸が締め付けられるような苦しい場面もあり心が痛みましたが

三婆が周りの人々を巻き込んでお萩を守るため悪人と対峙していく姿は

ハラハラ・ドキドキしましたがとてもカッコ良かったです。

帯に書かれていたキャッチコピーの

【婆が三人集まれば騒がしさも厄介も三倍、されど喜びも感動も三倍!】

まさにこの通りだと思います。人情たっぷり、ミステリーもありです。

やっぱり西條奈加さんはいいなぁ~と思える作品でした。ぜひお薦めです。(^_^)v