泉を聴く

徹底的に、個性にこだわります。銘々の個が、普遍に至ることを信じて。

つなぐ

2012-09-05 12:59:50 | 
愛は ここにあった

無数の人々から受けた愛が
私のこころにたまっている

始まりは 一滴の雨だった
泣かないことが強いことだと勘違いして
勘違いを認めたくなくて
愛に 飢えていた
飢えていることが恥ずかしくて
知られたくなくて
自分で自分を消費して
倒れた

愛は ここにあった

かたくなな意識はなぜ
愛されることを拒んだのか
そんなに自分は特別だったか
否定の先に理想郷はあったか
愛を受け
私は泣いた

愛を受け続けたいがために
私はとどまった
変わらずに思い続けることが
愛だと信じて
愛は そこにはなかった

愛は止まらない
決めようとして緊張して
彼女を怖がって
彼女を信頼できないで
形にはめようとして
見事にみんな去っていった

つなぐ
この愛を
あなたへ

つながってきた
この愛は
私たちにまで
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君は消えない

2012-08-11 13:46:02 | 
否定の輪に入っていく
君の気持ちは固まっていく
信じることを奪われていく
希望を覆い隠されていく
お父さん お母さんに
真実を語ることができない
心配させたくなくて
一人で抱え込んで
俺が悪いのだと思い込まされて
俺さえ消えればいいんだろ
この世にある あらゆる卑怯を背負わされて
重く 身動き取れなくなり
表現する術を知らず
心の中に穴開いた 唯一の道
焦りは 君が生きたいことの裏返し
焦りは 君を死へと追い立てる
あまりにも苦しいから
ただ 楽になりたくて
死は 生の裏返し
君は 誰よりも
人を思うことができる
巧妙に責任を分散させる
子ども集団の遊びだと言い張る
人の痛みを知らない人たち
想像力の欠如した人たち
自分たちより劣っている存在を
常に手元に作っておかないと
生き延びることすらできない人たち
彼らは すでに死んでいる
この死から逃れたくて身代わりを探している
君は逃げなかった
君は とてもまじめな
信じるに足る人だった

君は消えない
私たちの中で
君の人生はつながっている
いっしょに考えよう
どうしてこんなにも
人間はおろかなのか
君がいるからこそ
私たちは やっと気づく
一つずつ 絡まった糸を
ほぐしていこう
それがぼくらの生きる道

誰が君を待っている?
何が君を待っている?
誰が君を待っていた?
何が君を待っていた?

君を本当に愛している人たちが
こんなにもいたことに
今 気づいたかもしれないね
産まれて初めて 
心底 泣いたかもしれないね

もう手遅れなのか
いや ぼくらはまだ生きている
なすべきことをなすために

君は 消えない
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うつと恋

2012-08-04 22:22:56 | 
私が愛したのは あなたではなかった
あなたはあなたのままで 会えば笑いかけてくれるけど
私は笑顔で応えられなくなった

抱きしめたかったのは何なのか
かみ合わなかった言葉は すべて私に返り
深々と 胸を突く
痛む そこにお前の弱さがある

恋し(あなたをネタにして私をたくましくし)
告白し(あなたに私を入れてもいいですか?)
近づけず(拒絶され)
切れ(人とのつながりから取り残され)
へこみ(自分で自分を責め)
うつになる(希望を失う)

繰り返し
どこかで聞いた陳腐な歌
また一からたどり直す

あなたの立場に 一度でも立ったことがあるか
理解されたことが 一番うれしかったと知っているのに

思いだけが先走り
焦りと無知に踊らされたマラソン大会
足は怪我をし 手当を必要としている

言葉は 体の後についてくる
言葉を信じるなら 体を信じろ
体を信じるなら あなたを信じろ
信じることは 言葉と体が一つになること
私は 私を信じることが
やっとできるようになった
感動と等しく あなたを

悲しみを栄養にして育った
優しさは いつもここにある
うつと恋の時代は 終わった
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あたたかいもの

2012-02-01 17:58:58 | 
白い息 吐いて
朝 急いで歩きながら
君は君の胸をたたく
よく やっているよ
君は君を応援する

恐怖に染められた過去
ぬぐい去ることはできないけれど
学び続けることができる
過ち 多ければこそ
ばねにして 君は伸びる

否定と肯定のはざまで
強く乾いた北風に吹かれ
君は君の胸をたたく
大丈夫だよ 生きているじゃないか
君は君を包む

落ちそうになっても落とさない支えは
出会いと対話によって築かれた
だから発言しよう 大きく息吸って
君は通るべき道を通ってきた
君は君を存在させる

人と人とのはざまで
死とつながる劣等感にさいなまれる
できることを数えよう
非難と欠損もあるだろう
だから君は人とつながることができる

白い息 吐いて
君は君の歩みを進める
息と血と同様に
言葉が体を巡っている
言葉が君を生成している

言葉にならない あたたかいもの
常に 君に流れている
摩擦して 心引き締めて
君は君を運ぶ
新しい 朝
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好き

2011-12-07 14:55:37 | 
34にして走り始めた
彼女は15から走っていた

「落ち葉の上を走ると気持ちいいの」

別れて10年も経つ

彼女が好きだった
ぼくは ただ
偉そうで
世間知らずで
黒づくめで
青白い顔をして
彼女に付いていくことしかできなかった

走りたかったのだ
なぜ 気づかなかったのか

走り続けることで
やっと彼女の1つがわかった
彼女を好きになったぼくは
正しいと思えた

好きになるということは
自分を伸ばすことだった
身に着けたいものを身に着けようとして
自分で自分を強める力

あなたが好きです
好いてもらえるように
今日も走ります
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二本の木

2011-11-09 14:48:13 | 
一本の木が
根付いていなかったから
自分の重みに耐えられず
去りゆく人にすがろうとした

宙に浮いた木は
頭を逆さまにして
入るべき穴を
検索して回った

なぜ 根が見えなかったのか
なぜ 土に気づかなかったのか
止まらない吐き気は
捨てるべき場所を指さしている

結婚とは どうすればできるのか
子どものようにわからなかった
口づけを交わしさえすれば
子どもはできるのだと思っていた

あなたもまた
一つの濃い影を持ち
歴史という深い根を張り
自分という輪郭を現そうとする
一本の木なのでした

共にいるということは
木が林になるということ
私は私で
あなたはあなたで
ただ 葉が触れたり
根が見えないところで絡んだり
小鳥が行ったり来たり
暴風雨や強烈な日差しをさえぎり
つかむ大地がより固まり
落ち葉を分けあい
おはよう おやすみ

一本の木より
となりあう 二本の木なら
互いが しっかりと立てる
林なのでした
居場所なのでした
家族なのでした
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一本の木をなぞるように

2011-08-06 22:07:11 | 
君を求めて 枝が伸びる
君が得られないとわかっても 枝はそのまま
生えた葉は陽を浴び 雨を受け止め
見えない地中では 根が伸びていた

戻ってくる 私の幹に
感じる 私という一本の木は
この恋を味わう前よりも 大きくなっていると
水を吸い上げる力が 光合成する質と量とが

私の流れに身を任せる
あの枝は 変わらずにあり
小雀が 羽を休めている
蜘蛛が 糸を編んでいる

一本の木をなぞるように 書いていた
実った詩は 君と関わったことの証

枝枝に 注意を向ける
伸びたがっているところはどこなのか
養分の届いていないところはどこなのか
振り落す枝はどれなのか
太る枝はどれなのか

一本の木をなぞるように
私は私を生かしていた
一本の木という君を
君は尊敬している

先に進めないことが
自他を否定することではなかった
真実を知ること
それだけが 何よりの道だった

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コンチクショー

2011-07-18 09:31:42 | 
チクショー
君は声にならない声をあげる
小さな子が 抑えられた怒りを代弁し
スリッパで ぼくの頭を打つ
この世は声にならない声で満ちている
大好きなあの人と結婚したかった
めんこい孫とあした会うはずだった
やっとのことで合格したのに
おなかの子だけは殺さないでください
お願いします
黒い波が すべてを飲み込んでいく

チクショー
力及ばない自分が悔しい
あいつのおごりをこそさらっていけ
名のないものに突き動かされて
ぼくは走る 廃墟の町を
いらないものを落としたくて
いるものを強めたくて
汗を絞り出す

夢は破れた
現実を見せつけられている
コンチクショー
おれに何ができるのか

君よ 聴くのだ
この世は言葉になりたい夢で満ちている
種を奪うことはできなかった
いくら傷つけ 持ち去ろうと
手足を切断しようと
細胞の核までは変えられなかった
故郷が放射能で汚染されようとも

コンチクショー
君はともに死なないことをちかった
絶望の首つりベルトを
名のない意志は噛み切った
なくなった人たちよ
あなたたちは死んではいない
ぼくらの中に引きつがれている

コンチクショー
おれは生きている
わたしも生きているわ
ぼくもここにいるよ
生きているものたちよ
その名を成せ

コンチクショー
それこそが希望の里だ
食い違いこそ前進への階段だ
チクショー
コンチクショー
歯くいしばって よじ登れ
わたしたちに通じる 君の道を
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電柱を高く掲げよ

2011-06-27 11:25:09 | 
電柱を高く掲げよ
あなたを必要としている人が
意味をさらわれた荒野に
立ち尽くしている

一杯のラーメンを届けよ
やわらかな湯を張れ
一つの歌を歌え
枯れない花を贈り続けよ

なぜ? と詰問が重なるたびに
あなたの電柱は伸びる
折れ 切断されようとも
再生する 力はある
見えなくとも みんなの中に

ふと見れば 電線は
すぐ隣にまで来ていた
手を差し出し 受け止める
次の人へ つないでいく
電気が走る 立ち上がる
この大地が 君は好きだ

愚痴は空へ投げ捨てて
君の姿を見た誰かが
もう一度 立ち直る
重くとも 命を合わせれば
大きな船を 海に戻すことができる

死の想像に負けるな
強く 人を信じよ
深く 自分を愛せ
電柱を高く掲げよ
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この世で一番こわいのは  言葉の花【21】

2011-04-17 23:45:23 | 
この世で 一番こわいのは
おのれの 想像だった

あなたの笑顔は続く 雨の日も風の日も
出会い続けて やっと気づく

起きたことだけを 突き放して観るがいい
だれが君を責めた? だめにした?
父か 母か 同級生か 同僚か
隣の国か 政府か ケータイの向こうの人か
そんな汚い言葉を
信じたのは 持ち歩いたのは
どこの だれ?

君に宿している思い 目に見えない
透明な服 何より大事に
毎日着て 安心を捏造する
おびえた顔隠せず 手が差し出されると
身を固く閉ざす 理詰めのまゆが
また厚くなる 重くなる

君をいつも見ている 懐かしい
君の中の君 かくれんぼの子のように
忘れられる不安 一人ぼっちのさびしさ増え
思い切って出た広場に 草が燃え
花が咲き 君が君をつかまえる

この世で 一番こわいのは
おのれの 想像だった

もう こわくはない
ぼくの笑顔が続いて 君が喜ぶと知ったから
君とともに 生きることができる
想像が 詩だと知ったから
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かわいそうだったぼく  言葉の花【20】

2011-04-16 12:14:41 | 
ぼくがかわいそうだなんて
おもったこともなかった
おもいたくもなかった
ぼくがかわいそうだなんて

となりに座った人が しゃべっていた
その苦しみを聴きながら ぼくはふたたび
ぼくの傷に返された きちんとうずいた
ぼくのよわさは 何度も涙で洗われ
笑い飛ばされ 熟考された
大きくなった腕によって 抱きしめられた
両腕は〇を描き 端と端とがやっと結ばれた
抱きしめた かわいそうだったぼくを
かわいそうでなくなった ぼくが

そのとき 体から言葉が落ちた
かわいそうだった と
ぼくの口は とっさに拾っていた
産まれたての言葉を もう一度ぼくは使った
味わい かみしめた
飲み込み 初めてぼくのものとなった
ぼくのものでしかない よわさが
ぴかっと 光った
みじめな傷が だれかを引き寄せてやまない
真珠に かわる

矛盾だらけのぼくが ここにいます
助けてもらわなくてはならない ぼくが

ようやくぼくは だれかを
あいすることができる とおもう
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誕生日  言葉の花【19】

2011-04-15 12:01:05 | 
忘れていた 汚していた
下げていた 傷んでいた
思い込んでいた 勘違いしていた

私の顔が 一瞬でほころびる
あなたは覚えていた 心から
祝ってくれた 私の誕生を

思い出させてくれた 子どもの日
ケーキにろうそくを立て 喜びをともし
一息では吹き消せなかった
この世に生まれてきたことを
世界に望まれていることを
受け入れるまでには

なぜ 遠ざかってしまうのだろう
ニュースといえば悲しみが 絶えず吹きつけ
知らずに曲がってしまう 毎日が
誰かの誕生日 すり抜けて

愛されていたのだ 想像よりよっぽど深く
生きていてもいいよ という実感より
貴い贈りものがあるだろうか

ああ 生きていていいんだ
そう 生きていていいんだ

私は 私だけで
生きてはいなかった

今日が 誕生日
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暗い箱  言葉の花【18】

2011-04-14 20:55:45 | 
あなたが見ているのは、見たいのは
あなたという暗い箱の中身だ。

黒い服を、好んで身に着けた。
誰かが死ぬと、みんな黒くなる。
現れてしまうのだ。
隠すことなどできないのだ。
暗い箱を剥き出しにして、私の重さにたわむ。

酷暑の終わった日、古都へ旅に出た。
私のためだけに人々が殺し合い、
流れた血の固まった石から仏を紡いだ場所。

入っていた、境界は自分が作っていた。
辿り着いた、駅前のホテルの四畳半の部屋。
冷蔵庫が思い出してブーンと鳴る。
中には何も入っていなかった、
自分が買ってこなければ。

将棋盤ほどの大きさの机の下の暗い箱に
大学ノートがあった。
書かれていた、言葉が
いた、人間たちが。

暗い箱に入り、あなたを知る。
私を見る、あなたを通じて
ここがいとしくなる、気持ちが飛び立つ
交わる。異なるがゆえ
あったまる。丈夫になる。

暗い箱は、明るい箱に変わる。
黒が、無限の色に分かれていく。

死んだのは、君自身だ。

明るい箱に横たわる、死んだ君が
色とりどりの花に、囲まれている。

君は還っていく。花の中に
そこにはもう、箱はない。
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約束  言葉の花【17】

2011-04-13 11:40:40 | 
もう 会えなくなってしまった
君と 交わした約束は
僕には 賞味期限がなく
来る日も来る日も 守っている

約束を果たすために 僕は
健康でなければならず ために
適度な運動をし 最低限の賃金を稼ぎ
一日三食いただき よく眠る

約束とは 消息を知らせ続けること
僕がどこにいて 何をしていて
どんな思いに至ったのか 細かく伝えること
週に一度 言葉を合わせた日々のように

どうしてなのか 会えなくなったことで
僕らの約束は 永遠になってしまった
帰って来ない 音信を
待つこともなく 僕は
僕であることを 世界に
語らなくてはならない もしかして
という期待も 入る余地は
時間に削られ なくなっても

あの空を 君も見ているか
この花に 君も立ち止ったか

約束は 忘れられたとしても
僕は 覚えている
だから 大丈夫
とにかく 元気で

もう 会えなくなってしまった
君は 死んでしまったのかもしれない

それでも 僕は言うよ
また会おう また会おうよ
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神さま  言葉の花【16】

2011-04-12 10:32:28 | 
大好きな彼女が かつてこう言った
「神さまだけが知っているんだよ」と
神さま に初めてぶつかった
本当に 驚いた

不安だから 予め彼女との関係を決めたくて
でもそれは 不正解でしかなくて
待てなかった 離れられないことで
いったいいくつの宝を損なったのだろう

彼女が伝えたかったのは 任せるということ
私でもあなたでもない 空へ
ああ言葉よ 埋め尽くさないで
神さまは永遠に中立で 降りては来ない

あなたはそこにいた
あなたの存在が 私を進めた
楽園よ さようなら
あなたは 留まることを欲してはいない

過去に住むあなたを もう抱こうとはしない
失礼じゃないか 今という命を失い
私からは一歩も出ず 勝手な味つけだけして
食べようなんて 神さまを
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