奈良国立博物館正倉院展のなかで、特集展示「正倉院宝物 花氈第17号の文様再現」フエルト作家ジヨリー・ジョンソン氏の再現を展示と映像紹介されていました。
正倉院紀要42号のジョリー・ジョンソン氏の文章
花氈とは→「羊毛繊維の特性を利用したフェルトの一種で、その縮絨(しゅくじゅう)のときに、宝相華(ほうそうげ)や花草人物などの模様をはめ込んだものを花氈とよんでいる。製作法には、踏み固め法と簀巻(すま)き法の二つがある。一つは、一定の枠の大きさに羊毛を適当な厚さに置き、アルカリ性液を注いで足で踏み固め、別に原毛染めした羊毛を模様どおりに置き、さらに踏み固めたものである。もう一つは、簀の上に羊毛を置き、前述の処理を施したのち、ぐるぐると巻き、上から足で踏み固めるものである。もと遊牧民族の所産であったが、飛鳥(あすか)・奈良時代には中央アジアから中国を通して舶載され、正倉院に多くの花氈が残されている。わが国でも下野(しもつけ)国(栃木県)で、古代にはヒツジを飼育し、氈(おりかも)を製作したという説がある。また1805年(文化2)には長崎奉行(ぶぎょう)が中国より毛氈製造技術者を招いて、技術導入を図っている。
[角山幸洋]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)」
https://www.narahaku.go.jp/exhibition/2020toku/shosoin/2020shosoin_index.html