京都ひとり旅をしている時
ある小さなお寺にふらりと入った
玄関のすぐ横にご朱印受付の部屋があり
何気なく部屋に入ると既に来客女性がいた
七十代後半くらいの老女性がご朱印に筆で書きながら
来客と楽しく話をしながら依頼されたご朱印を
書くと素手で手渡し、硬貨を受け取っていた
「これいいでしょう。今年の文字はこれなのよ」
と言い私の方に近づて細かく説明してくれる
私と老女性の距離は50センチ程
他の女性とも蜜で話して、現金の受け渡しをしている
当たり前のように
そのお寺の空間 会話 接し方 距離は
不安も 心配も 緊張感もなかった
そう、その場所には世間で騒いでいる「コロナ」を
心配して不安を感じている人は誰もいなかった
語り合い、笑い合い、皆心が穏やかだった
その時、この場所にコロナはいなかった
コロナという恐怖を煽るものがこの場所に存在しなかった
老女性二人の心の持ち方がこのお寺の雰囲気をつくっているのだ
自分がコロナをどうとらえて生活をするか
コロナの恐怖と不安で向き合うか
それとも惑わされない自分の人生をデザインするか
すべては自分が考える世界
自分が見る世界がすべてなのだ
老女性二人にとても大切なことに
きづかされた日だった