8月8日に宮崎県日向灘沖でM7.1の地震が発生し、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を発表した。この南海トラフを巡っては、2013年度から2023年度までに57兆円が使われ、さらに2025年度までに事業規模15兆円の対策云々となっている。(JBpress参照)
巨大な利権構造と隣り合わせに南海トラフ地震の全体図が垣間見える。2013年の内閣府の推計では、32万3千人の死者、220兆3千億円の経済損失の可能性が示され、2019年には、23万1千人の死者、経済損失が171兆6千億円に減額されている。この数字が独り歩きをして、関連予算の獲得に様々な貢献を果たしているともいえる。
ならば問うが、そんな大地震が30年内に7、80%の確率でくるというのに、リニア新幹線は造るは大都会では超高層マンションは造るはで、一体全体日本の国は何を考えてるんだろう。大地震を嘲(アザケ)るような、人不足の土建業界の活況ではないだろうか。更に言えば、あの東北大地震は想定された地震であったにも係わらず、大津波を学者や国会議員が警告したにも関わらず大惨事は起きてしまった。
当時のバカな総理のせいだと片づけるわけにはいかない。その周りの秘書官やその出身の官僚がバカだったからなのだが、彼らも不問に付されてしまっている。日本に蔓延(ハビコ)る無責任体質の極みである。あの桜を見る会や加計学園問題も結局はうやむやである。そういう背景にある南海トラフだという認識を持つことは大事である。そこには、どこかがおかしくなってしまった日本の姿が見えてくる。