荒海を走るハルベルグ・ラッシー(小笠原~勝浦~徳島へ向かうヨットに遭遇)
昨年の3月、キャノンの株主総会での出来事をキャノンショックというそうだ。大物の御手洗富士夫会長が薄氷の再任(50.59%)となった事件である。結果論だが、あと1%の反対票で否決されているべきだったと小生は想う。御年89歳である。いつまでカリスマとして君臨するのだろうか?そういう高齢者だから反対票が多かったのであろう。女性役員が不在だったからだという説があるが、本質は高年齢だろう。
彼の来歴がどうなのか詳しく知らないが、敢えて言えば米国在住23年がミソなんだと思う。日本で活躍しようと思ったらなにが何でもアメリカに行くことである。咸臨丸以来の伝統のように思う。だが、敢えて付け加えれば、アメリカを経由してヨーロッパに渡り、アフリカから中近東・インド・東アジアを通って欲しい。そういう人物が日本の中央で活躍してくれていたら、福島原発事故のような国として会社として無様な事故はあり得なかっただろう。
日本の企業で業績の良いのがいい会社というけれど、時流に乗っかって順風満帆なだけが企業経営ではない。荒海にまっすぐには進めないヨットをいかにして前に進めるかという、艇をまもり自然に逆らうことなく、困難を受け入れて乗組員の安全を第一に航海していくことこそが肝要である。
物事の本質を忘れ去り、安全軽視など平気でやっているから大事故は起きたのである。東電で起きた教訓を他の大会社が他山の石としなかった故に型式不正などが横行してきた背景である。夫婦別姓に反対の先頭走る女性の国会議員達を見るにつけ、キャノンショックというより日本企業ショックであり、日本の国家ショックではないかとさえ思う。