田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

今年も八女福島の燈籠人形公演へ

2024年09月30日 | 日々の出来事

 秋分の日を中心とした三日間、八女の福島八幡宮でからくり人形芝居の公演が行われます。江戸時代から続く放生会の奉納行事です。一日5回公演で、最終日に行きました。

 参道脇の広場に舞台が組み立てられ、向かいのベンチと玉石垣が観客席です。その上の高台は立見席になります。かつて福島城があった時の辰巳櫓跡です。

 まずは八幡宮にお参りします。

 開演前の舞台。2階建て三層構造で釘を使わずに組み立てられ、公演が終わると解体されます。一番上は唄と三味線、太鼓、鼓の囃子方が座ります。舞台の両袖は人形を操る横遣い、舞台下は下から人形を操作する下遣いが陣取ります。

 今年の芸題は「吉野山狐忠信初音之鼓」。「義経千本桜」に題材をとったものです。話の筋は省きますが、橋の上に出てきたのは静御前。舞台の左袖に飾り人形の義経がいます。両脇に座っているのは後見役。公演の期間中、45人の子どもが交代で務めます。

 静御前が橋を渡ります。送り渡しという技です。

 左から腰元が出て来ます。下には狐の忠信。静御前の持つ鼓には親の皮が張られており、義経の家来に化けて静御前を守ります。この後、衣装の早変わりがあります。

 衣装が変わりました。素抜きといいます。

 

 舞台下手から鼓の藤太が出て来ます。静御前の持つ初音の鼓を奪おうと狙っています。

 囃子方と人形を操作する横遣い、下遣いはお互いが見えません。それぞれの呼吸を合わせるのが狂言方で、拍子木で間合いを整えます。

 舞台が終わった後の本町通り。この後の最終公演では囃子方の障子、舞台下の板戸が取り払われ、裏方の様子も見せながら人形芝居が行われます。

 静かになった町を歩いて駐車場へ。

 燈籠人形とはいっても動くのは燈籠ではなく、からくり人形です。元々は熊本県山鹿の大宮神社から奉納燈籠を貰い受け、八幡社に飾っていたそうです。それが人形の燈籠となり、やがて人形を動かすようになって今の形になりました。名前だけ残りました。

 天保三年の史料に、人形制作にからくり儀右衛門が関わった記述があります。儀右衛門は家の近くの五穀神社祭礼でからくり興行を行っていました。後の田中久重、東芝の創業者です。

 八女市観光案内所のHPに燈篭人形の説明があります。PDFファイルです。

 *こちらです

 

 

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