けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

これから滑走します!

2007-03-29 18:18:57 | エルブルース
飯田橋の留守番隊より発信しています。
けんけんより連絡が入りました。
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現在標高4,440mあたりにいます。スキーをデポしていた
所から、さらに歩いて100mほど下りました。
天気は本当に良くて、登頂できなかったのがすごく残念です。

ここから滑走!となるわけですが、大量に持ってきた
水や行動食が重いので、しばし大休止を。
その後にバレル小屋に向かって滑走します!!!

Photo:スキー靴のアイゼンでの下山がどれほど大変か!よくぞ一歩一歩大切に
      歩いてくれました。スキー板がぶつかったり、アイゼンが外れたりも!
      ヒヤヒヤでパスツーコフ岩までなんとか降りてきましたが、アイゼンワーク
      が不安そうな人は更にショートロープを使いスキーデポ地より下へ。


Photo2:①②右を見ても左を見ても、きょりんきょりんの斜面でターン不可能…
       直滑降のみ?スキーを担いできた人もアイゼンで下山してもらいました。
     ③④明るくなって周りを見渡したら、デポ地も氷に囲まれていました。
       全員板を担いで100m程アイゼンで下ってから滑降準備をしました。
       左からけんけん、Ayaちゃん、ヤマちゃん、そしてリベンジ神ちゃん。


Photo3:①なんとか氷の急斜面から逃げてきたアキコ、オクサーナ、Ayaの3人。
      ②斜面はとても良い状態に。登頂が無くても良いと思えますよね?
      ③現地ガイドのゲニ。やはり脳みそ筋肉系です。その後ろはヤマちゃん。
      ④トラックはまだまだ続くんですが…私たちはバレル小屋のルートを。

頑張りました!

2007-03-29 16:15:25 | エルブルース
飯田橋の留守番隊から発信しています。
けんけんより連絡が入りました。


今パスツーコフ岩の上部、200mのところにいます。
あたり一面アイスバーンになっていて、1ピッチずつ
ロープで確保してここまで登ってきました。

すごく残念ですが、この状況で更に上を目指すのは危険と
判断し、今回は登頂を断念することにしました。
頑張ってスキーを担いでここまで登って来た人もいるの
ですが、このまま雪が良くなるところまで担いで下山します。

でもみんな笑顔だよ!!!

Photo:今回の最終ピッチをリードするイゴール。自転車操業かシャクトリ虫か!
     3本のメインロープを繰り返し張り替え、全員がそのロープを辿って
     頑張りましたが…スキー靴の隊員が登れる氷壁ではなかったです。


Photo2:①最高到達点の蕎麦職人とヤマちゃん。いい笑顔です。
     ②シルベッサ・アキコとヤマちゃんだけ板を担いで登ってきました!
     ③さらに吉田総理、Ayaちゃん、アカオギ君、シノシノの順番でした。
      ※寒さで全てのデジタルカメラが起動しなくなったので、全て
       ヤマちゃんの“写るんです”で記録した写真です。



ただ今アタック中!

2007-03-29 14:12:23 | エルブルース
飯田橋の留守番隊より発信しています。
現地時間4:30、けんけんより連絡が入りました。
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今日は3時に起きて、朝食を食べたり準備をしたりしながら
雪上車が来るのを待っています。

本日の天気は無風快晴ですが、放射冷却の影響で
冷え込みは厳しく、おそらく-30℃くらいにはなってると
思います。みんなダウンの上下を着込んで着ぶくれしてます。

今年のエルブルースは雪が少なく氷が露出しています。そのため、
フィックスロープを使って登らなければならないことになっていて、
テレスコルという麓の村で、ユマールやオートブロック用の
スリングなんかを隊員は購入しました。
まるでヒマラヤ登山のように登ることになると思います。

では、これから頂上に向けてアタックをかけます!!!

Photo:闇の中ヘッドランプの灯りをたよりに、指先が痛くなるほどの
     寒さに絶え歩いていましたが、朝日には見とれてしまいました。
     風も穏やかで、すばらしい夜明けだったのですが…。


Photo2:①CATのキャタピラが氷でスリップしドリフトターンのように斜面を
      落ちはじめました。ここが雪上車の到達限界点!スリップが止まった
      ところで素早く下車したけどその後のUターンでも落ち続けていきました。
     ③難攻不落の烈峰ウシバ④北西側⑤南東側の山々が紅く染まります。


Photo3:①陽があたってくると暖かくなりますが、素手になっちゃいけません!
     ②朝陽に顔を染めるアカオギ君。後ろの北西の山々はグルジアとの国境。
     ③パスツーコフ上部からは3本のロープを繰り返しべた張りしましたが、
      一番下のロープに人がいなくなると、それを回収してTOPまで走って
      持ち上げるという、非常に効率の悪い流れでした。
     ④アイゼンの爪の長さより薄い雪の筋があり、そこをねらってFIXしまし
       たが、いやらしい大きなクレバスがあったり、始点終点にスクリュー
       を1本づつしか打てなかったりと…そしてその間に隊員全員が連なる
       という状況には限界がありました。