思えば、これが新年を迎えてから初めての投稿です。
今頃ではありますが、今年もどうぞよろしくお願い致します。
昨年の秋は、「紫金山・アトラス彗星」を撮影するという機会に恵まれ、心浮き立つ体験をさせて頂きました。そして今、新たな彗星「アトラス彗星」が太陽に接近して各地で観測されているところであります。北半球は観測条件が悪く、肉眼はもとよりカメラ撮影も難しいかもしれない、という情報ですが、それでも、何かの偶然で箒星の尾の一部でも見らたりするかも?と、美瑛の丘に行ってみようと計画していました。雪の天気は続いていますが、雲の合間に何かが見えることを期待していました。
ところが・・・
美瑛の丘に「セブンスターの木」と言う有名なカシワの木があります。そのすぐ近くに綺麗に並んだシラカバ並木がありました。それが全て伐採されてしまいました。最近は、オーバーツーリズイムで交通に支障、農地に踏み込む人が居たり、近隣農家が困っていたようです。畑の中の路に観光バスが入って来るのは、確かに異常な状況でした。続々と集まって来る人々、そして、私もその中の一人。
何もない自然な風景が人々の心を打つ、それが北海道観光の売りでもあるのですが、その自然の中で暮らす地元人にとって、日々の営みが妨害されるのは酷というものです。以前、「哲学の木」も同じ理由で伐採されています。
観光客に「来るな。」とは言えないし、言っても無駄だし。
「木」を見に来るというなら、「木」を切るしかない。
同じような理不尽が、世の中に溢れている気がして苦しくて仕方ない。自然の風景に罪はないのに・・・。
写真:2013年12月撮影
苦しくて、身動きできない。しばらく、美瑛の丘には近づけそうにない。
今回の天体観測は諦めた。
見られなかった彗星とともに、二度と戻らないこの風景も、夢となって宇宙の彼方へ飛んで行った。
観光客には来て欲しいけれども、マナーは守らなければいけない。しっぽなさんの言う通り、北海道の魅力は広大な自然の美。でも、その美しさを愛でるならその地に暮らす人たちも併せて愛してほしい。
「インスタ映え」を求め歩いて被写体を踏みつぶすのは自分の心の薄っぺらさを晒すようなものです。
悲しい・・