子供時代のかけっこを想い出すと色々な風景が浮かぶが、そこにはいつも誰かの後ろ姿があった。
最初の後ろ姿は、幼な馴染みのケン坊だ。
ケン坊は僕よりも背が低いくせにかけっこは早かった。
田んぼの畦道で蛙取りに行く時、黄色の菜の花畑で紋白蝶を追いかける時、そして鎮守のお寺さんでジンジン鳴くアブラ蝉を捕まえようとした時、僕の前には先に駆けていくケン坊の背中がいつもあった。
小学校高学年は野 . . . 本文を読む
遂に倒れた。
今冬は、外出先から帰ったら、まめに手洗い、うがいを励行したお陰で、いつも一緒の密室に居る運転手が強烈な咳と共に撒き散らすウイルスにもめげず、風邪引かずで乗り切った。
今、とても大きな仕事を抱えている。これが成功すれば、自分の事業の一つの大きな節目となり、集大成にもなりうるぐらいの大仕事だ。
年末からずっと駆け続けて来た。
仕事の負荷が増えても、遊びの . . . 本文を読む
引越しの日は、まるで初夏を思わせる暑さだった。
その翌日の入学式は、桜の満開の下の小春日和だった。
そして、4月3日、三日目の東京は朝からシトシトと雨が降っている。
昨日は、新入生が一杯で、華やいでいた東京国際フォーラムも、今朝は人通りが少なく、暗い空の下に、ひっそりと佇んでいる。
少年は、早くも英語の能力測定のためのテストを受けている。
その間に、IDC . . . 本文を読む