日銀、供給延長見送り 長期金利抑制にジレンマ 株式など資金移動妨げ警戒
産経新聞 6月12日(水)7時55分配信
異次元緩和導入後指標変化(写真:産経新聞)
市場の注目を集めながら日銀が11日の金融政策決定会合で見送ったのは、年0・1%で金融機関に資金を貸し出す「固定金利オペ」の期間を現行の最長1年から2年に延長する案だ。長期金利の急上昇を抑えるための対応策に位置付けられたが、金融緩和で目指す株式や貸し出しなどへの資金の移動を妨げかねないと判断した。日銀は過度に長期金利に働きかけることが、逆に金融市場に悪影響を与えかねないとのジレンマに陥っている。(大柳聡庸)
【死角はないのか】「アベノミクス」陰で練ってきたのは誰?
「現時点では不要だが、将来、必要になれば検討する」。日銀の黒田東彦総裁は記者会見でこう述べ、国定金利オペの期間延長の導入を否定した。市場ではこの制度が金融機関に国債を購入する資金を提供し、長期金利の上昇(債券価格は下落)を抑える効果があるとみられていた。
日銀の判断に影響したのは資金の流れの行方だ。日銀は固定金利オペとは別に、金融機関が融資を増やせば、その分だけ年0・1%の低金利で銀行などにお金を貸し出す制度を設けており、仮に国債購入を促す固定金利オペを拡充すれば、金融機関の融資への努力に水を差しかねないばかりか、株式市場への資金の流れを緩め、相場の下落を招く恐れがあった。また、日銀は現行の期間1年の固定金利オペの実施などで「(長期金利の)大きな変動は収まっている」(黒田総裁)とみていることも判断材料になった。
ただ、11日の国債市場は長期金利の終値が前日比0・035%高の0・870%に上昇。長期金利の上昇は住宅ローン金利の引き上げなどを通じ、景気の鈍化に響きやすい。黒田総裁は長期金利の安定に向け、「変動を縮小させる努力を継続する」と述べたが、日銀が考える次の一手は何なのか。市場は見極められていない。
font size="4">金利高は、債権価格の下落になり、国債を大量発行しようとする政府にとっても困ること。資金の調達のめどもたたなくなる。
また、銀行へのお金の貸し出しを増やすことで民間に資金を流すことも、限界がある、必要以上投資のための借金は経営にマイナス。現在の投資の為にどのくらいの資金調達が必要かは、海外取引が何処まで本腰になれるかである。政府がアジア、アフリカ諸国とのあいだで本格的に交渉できるかわ未知数である。
産経新聞 6月12日(水)7時55分配信
異次元緩和導入後指標変化(写真:産経新聞)
市場の注目を集めながら日銀が11日の金融政策決定会合で見送ったのは、年0・1%で金融機関に資金を貸し出す「固定金利オペ」の期間を現行の最長1年から2年に延長する案だ。長期金利の急上昇を抑えるための対応策に位置付けられたが、金融緩和で目指す株式や貸し出しなどへの資金の移動を妨げかねないと判断した。日銀は過度に長期金利に働きかけることが、逆に金融市場に悪影響を与えかねないとのジレンマに陥っている。(大柳聡庸)
【死角はないのか】「アベノミクス」陰で練ってきたのは誰?
「現時点では不要だが、将来、必要になれば検討する」。日銀の黒田東彦総裁は記者会見でこう述べ、国定金利オペの期間延長の導入を否定した。市場ではこの制度が金融機関に国債を購入する資金を提供し、長期金利の上昇(債券価格は下落)を抑える効果があるとみられていた。
日銀の判断に影響したのは資金の流れの行方だ。日銀は固定金利オペとは別に、金融機関が融資を増やせば、その分だけ年0・1%の低金利で銀行などにお金を貸し出す制度を設けており、仮に国債購入を促す固定金利オペを拡充すれば、金融機関の融資への努力に水を差しかねないばかりか、株式市場への資金の流れを緩め、相場の下落を招く恐れがあった。また、日銀は現行の期間1年の固定金利オペの実施などで「(長期金利の)大きな変動は収まっている」(黒田総裁)とみていることも判断材料になった。
ただ、11日の国債市場は長期金利の終値が前日比0・035%高の0・870%に上昇。長期金利の上昇は住宅ローン金利の引き上げなどを通じ、景気の鈍化に響きやすい。黒田総裁は長期金利の安定に向け、「変動を縮小させる努力を継続する」と述べたが、日銀が考える次の一手は何なのか。市場は見極められていない。
font size="4">金利高は、債権価格の下落になり、国債を大量発行しようとする政府にとっても困ること。資金の調達のめどもたたなくなる。
また、銀行へのお金の貸し出しを増やすことで民間に資金を流すことも、限界がある、必要以上投資のための借金は経営にマイナス。現在の投資の為にどのくらいの資金調達が必要かは、海外取引が何処まで本腰になれるかである。政府がアジア、アフリカ諸国とのあいだで本格的に交渉できるかわ未知数である。