大事にしすぎない

　先日、９０歳になられる大正生まれの男性が来院されました。大変元気で耳も遠くなくビックリしてしまいました。しかし、数ヶ月前から首が動かない、手が痺れるという症状で治療しているとのことです。

　首の動作テストをしますと、前後、左右、回旋とほとんど動きません。数ヶ月前にどれほど動いたのか分かりませんが、病院に行くと痛み止めやシップしか出さず、「お大事に」と言われ、首にはコルセットするよう薦められたそうです。それをすれば確かに痛みは和らぎますが、首は動かなくなります。

　当たり前ですが、関節や筋肉は使わなければ固くなります。シップで冷やし、痛み止めを飲めば、痛みは感じなくなります。感じなくなることと痛みは無くなることは別です。また、徐々に薬が効かなくなったそうです。

　施術は、首を動かすと痛いので、首は直接触らずに首に着いている肩回りの筋肉から遠隔操作を行いました。すると施術前より首が少し動くようになりました。最後に色々とアドバイスして終了です。

　次回の予約は様子を見て、電話するとのことです。出来れば継続して来られると良いのですが、その判断はご本人しだいです。

　よく、治療院に行くと最後に「お大事にどうぞ」、または「お大事にしてください」と言う言葉を聞くと思います。私も時々使ってしまいますが、大事にするということと安静にするということは違います。正しく大事にしていただきたく思います。

　　　　杉並区西荻窪の整体・木村均整院