「暗号名はフクロウ」モーリス・ドニュジエール
暗闇でも目が見えるという─
明らかにX-メンには入れてもらえないよーな地味な能力を持つ男。
ニクタロープ(昼盲症)の才を買われ、
フランス軍防諜機関にスカウトされる。というか脅しを受ける。
任務地→バハマ=楽園
任務→冒険=ロマン
というお気楽、安直な連想によって引き受けることに。
現地で、これでもか!というほど再三命を狙われるも、
本人は、その深刻さに気づかないという鈍さ。
時に詩を口ずさみ、幸福にひたる能天気男。
物事を悪くとらない、
相手を疑わない、
という諜報機関に居るはずのない性格の持ち主。
相棒の空手チャンピオン、フランソワに白い目で見られつつ。
友情も育ち~の、任務もどうにかこなし~の。
食事も酒も女も楽しむという、器用さ。
鷹揚に構え過ぎな為、文章がなんとなく自慢口調。
そこが笑えるというか、ユーモラスな部分でもあるのは分かるが。
なかなか笑いまでは至らず。
のんびり読めるホラ話といったところか。
丁寧な文章なのが、ちと回りくどい。
そこがまた、ユーモアに繋がってるのは承知ですが。
これまた、なかなか微妙なとこ。
夢見がちな男の、ちょっと気取ったアドベンチャー。
オースティン・パワーズだって小説にしたら、
案外こんな感じになるのかもな。。。