「お前も来てちょうだい。関係者はみな調書取ってるから。」
「どうせ来なくちゃならないから」と母からの電話であったので
1人でどうしようと思っていたので、丁度良かったと思った。
早速着替えて、綾子は出て行った。
少し行くと大通りに出るので、タクシーで行くつもりだった。
おばさんの家なら分かるが、警察署は知らなかったから。
空車のタクシーが来たから、手を上げた。
「えーと北警察署までお願いします」と言ったが「はい」と答えた
だけで良かった。
質問されるのが嫌だったから。
ただでさえ1人でタクシーに乗ったことも無いから。
20分位で到着した。
警察署の前に立つと、何だか怖くなった。
中に入ると、お母さんが待っていた。
「綾子ご苦労さん。調書は簡単に終わるから。」と良子は言った。
良子について行くと、取調べ室に着いた。
「ここからは1人で入って待ってなさい」と良子は刑事を呼びに
行った。
部屋の中はTVで見るより綺麗であった。
綾子は少しどきどきしてきた。
「がちゃ」という音と、男性が2人と良子が入ってきた。
そのうちの一人が綾子の前に座りご苦労さん」と怖そうな刑事が言った。
「いえ」と小さな声で、綾子は言ったが内心は泣きたいくらいに見える。
まさか中学2年でこんな所に入るとは夢にも思わなかった。
「まーそんなに、硬くならなくていいよ、一様関係者には調書を取るから
すぐに終わりますよ」。
「えーと、木田綾子さんですね。」と刑事が言い「はい」と答えた。
「今回亡くなった吉田富雄さんは知っていますね」「はい」。
「良く会いますか?」「いいえ、滅多に。おばさんに用がある時は家に行き
ますが、おじさんとは会いません」。
「聞いたと思おうがおじさんはマンションの5階から落ちて亡くなり、最初は
飛び降り自殺かと思ったが、調査していたら、1人じゃなかったようなんだ
だけどあまり付き合っている人もいないようだし、妻の慶子さんとも会話は
ほとんど無かったらしいから、何か知っていることがあったら聞きたくて皆
さんに聞いているんだ」。と言ったが私は数ヶ月に一回見たらいい位なので
分からない。
「私は先程も言ったように、おじさんのことはまったくといって言うほど知りま
せん。」と言った後すぐに良子が「もういいでしょ、この子とは会わせなくして
るんです。」と綾子を守った。
「はい、わかりました。もう終わります。ご苦労さんでした」
綾子は付き添われるように部屋を出た。
綾子はふらふらであった。
「大丈夫?」「大丈夫じゃない。倒れそうよ」と緊張を隠せない。
そこに雄一がやってきて、「嫌だったろう、もう帰ろう。」
「雄一さん後はお願いね、私はまだ帰れないから」と1万円渡した。
交通費と夕食代よと言った。
「やっぱり雄一さんが来てくれて良かった、お父さんは関係ないのに
と起こっているし。ありがとうね。泊まって行くんでしょう?」と言うと
「はい、姫を守らないといけないから」「さすがね」と2人を送り出した。
外には良子が呼んだと思われるタクシーが待っていた。
「大変なことになったなー」
続く