「死の発送 2014」
松本清張の長編推理小説。2014年にテレビドラマ化されている。
25歳にして税金5億円を横領したかどで社会を騒がせ、服役していた元N省の官吏・岡瀬正平が、7年の刑を終えて出所した。警視庁では、岡瀬の費消した先を調べたが、その使いぶりが乱脈過ぎたか、約1億円が使途不明のままとされていた。
夕刊紙Rの編集長・山崎は、記者の底井に、岡瀬の匿し金の行方を追跡するよう命じた。山崎の意図に疑問を感じつつも、岡瀬の行動を日々張込み、尾行を続ける底井。しかし、2カ月近く経った時点で、岡瀬は福島県内の山林で死体となって発見された。犯人逮捕の報道が出ない中で、ひそかに単独行動を始めた様子の山崎に、底井は不審を抱く。
「マークスの山」
高村薫の小説。高村はこの作品で第109回(1993年上半期)直木賞を受賞している。南アルプス夜叉神峠で起こった親子心中事件で生き残った少年が、その後成長して「マークス」を名乗り、連続殺人を犯す。「マークス」には、ある事件に関係するキーワードが隠されていた。
「三文役者」
1度見たらその個性的なキャラクターゆえに誰も忘れることのできない、戦後の日本映画界になくてはならない貴重なバイプレイヤーとして活躍した殿山泰司。自らを“三文役者”と称し、女と酒とミステリ小説を愛しつづけた彼のことを、みなは親しみを込めて“タイちゃん”と呼んだ。1998年4月30日にその生涯を閉じた殿山泰司の俳優人生を長年の同志、新藤兼人監督が映画化したペーソスあふれる感動ドラマ。