28サンチ砲木製模型(浦賀 観音崎)
クリックすると拡大するよ
左:白襷隊
右:那須乃木神社から乃木別邸の間にある乃木将軍像。日の光が、まるで意図的にライトを当てたように「乃木将軍像」部分を照らしています
------------------------------------------------------------------
第1次総攻撃 第2次総攻撃 第3次総攻撃 28サンチ榴弾砲 旅順要塞降伏
------------------------------------------------------------------
【乃木大将(14)】第3次旅順総攻撃(その5)
白襷隊
11月26日第3次総攻撃第一日目、他の各師団の戦況は、まるで第1次総攻撃での悪夢を再現するがごとく、見渡す限り死屍が横たわり、負傷兵の収容もままならない。
累々と横たわる屍を踏み越え、何度も突撃を繰り返すが、榴散弾を浴びせられ、機関銃、小銃による激しい十字砲火、無数の手榴弾攻撃、壮絶な白兵戦でロシア軍に圧倒され、思うように進撃でず目的を達成することができなかった。
この夜に登場したのが、第1師団歩兵第2旅団長 中村覚(なかむら さとる)少将率いる特別支隊の奇襲作戦だ。
白襷隊の名称は、この特別支隊将兵全員が白い襷をしたことに由来し、各師団から歩兵、工兵を選抜し、到着したばかりの第7師団も例外ではない。
また、第7師団からは衛生隊も選抜され合計3106名で組織された。
松樹山堡塁後方の堡塁、砲台を占領し、堡塁間を分断し三大堡塁の一つ松樹山堡塁を孤立させる目的で編成された決死隊で、退却は許されず拠点を確保した後は、その場に留まり援護を待つというもので、実質的に予備兵力や援護はなく、本攻撃が首尾よく松樹山堡塁を陥するまで、守り抜かなければならないという厳しい作戦だ。
白襷隊は、あらかじめ水師営付近に進出し、乃木の激励を受けた後、夜を待って松樹山第4堡塁へ前進を開始。
3000人余りの兵士は粛々と前進し、夜9時ごろ、今まさに先陣が第一線の散兵塹壕へ突撃しようとした刹那、小規模な爆発音が起き、さらに次々と誘発を引き起こした。
地雷原のど真ん中をものともせず進撃し、うっかり地雷を踏んでしまったのだ。
地雷は敵兵を殺害できなかったとしても、重傷を強いることで確実に兵力を削いでいく。
地雷の爆破音とともに、すべての兵士は、反射的にその場で身を伏せ、岩陰に身を寄せるが誘爆は止まらない。
一瞬、前進行動は止まり白襷隊に動揺が走った。
ロシア兵が爆発音の方向へ探照灯(サーチライト)で辺りを照らし出すと、いつのまにか地雷原を超え、鉄条網を突破し、光の中に浮かび上がる白いX印の群れが、堡塁正面を埋め尽くしていた。
しかも先頭は、手榴弾の投擲範囲にまで迫っているではないか。
その光景に仰天したロシア兵は、慌てて機関銃、小銃を乱射し、手榴弾を投げつける。
ことここに極まり、白襷隊は歓声を上げて猛然と突撃を開始し斜面を駆け上がるが、不幸にもサーチライトに照らしだされた白い襷が、格好のターゲットになり、榴散弾、機関銃、小銃から猛烈な銃砲弾を浴びせかけられ、あるいは狙い撃たれ、散兵塹壕に近づけば無数の手榴弾が降り注ぎ、死傷者が続出した。
それでも怯まず、累々と横たわる屍を踏み越え、突撃を繰り返し、散兵壕、堡塁に突入すると白刃を振りかざし、銃剣で突き鬼気迫る壮絶な白兵戦をしかけるが、ロシア軍の熾烈な抵抗は徐々に日本兵を圧倒する。
しかし、中村少将が重傷を負い、次々と指揮官が倒れ、死傷者は約2000人に達し、ほぼ全滅といってよいほどの混迷を極めた
白襷隊は、翌27日未明乃木の命令により残存部隊は退却した。
なんとこの白襷隊は驚くべきことに、撤退命令が出るや、動ける兵は銃砲弾が飛び交う中、匍匐して死傷した兵士に接近し、襟を掴むなどして、匍匐しながら引きずって戦線を離脱させ、夜明けまでに死傷者すべてを収容したのだ。
健康体の人は、大人の男子を担いでみるとよい。とても人間一人を担いで駆け足などできるものではない。
もしくは、老人ホームなどに行って老人介護を経験してみるとよい。老人とはいえ身を任せられると、重いし本当に手に余る。
それを地面を這いずり回りながら、兵士一人辺りが二人の死傷兵を収容したことになる。
無謀のように見えた、白襷隊の奇襲攻撃は、果敢に白刃を煌めかせ、命を惜しまず鬼神のごとく奮戦し、突撃を繰り返し、激しい銃撃を恐れず整然と撤退する様は、ロシア軍司令官ステッセルの心胆を寒からしめ、後々ボディーブローのように効いてくることになる。
前の記事 第3次総攻撃開始(第1日目)
203高地を獲れ!につづく~
-----------------------------------------------------------------
赤穂事件 乃木と赤穂事件 聖樹無憂樹
-----------------------------------------------------------------
【肉でも復興支援】
(参考価格2440円)
【なんでも復興支援】
(参考価格3,000円)
アフィリエイトで得られた金額は寄付します。ここから注文してね
クリックすると拡大するよ
左:白襷隊
右:那須乃木神社から乃木別邸の間にある乃木将軍像。日の光が、まるで意図的にライトを当てたように「乃木将軍像」部分を照らしています
------------------------------------------------------------------
第1次総攻撃 第2次総攻撃 第3次総攻撃 28サンチ榴弾砲 旅順要塞降伏
------------------------------------------------------------------
【乃木大将(14)】第3次旅順総攻撃(その5)
白襷隊
11月26日第3次総攻撃第一日目、他の各師団の戦況は、まるで第1次総攻撃での悪夢を再現するがごとく、見渡す限り死屍が横たわり、負傷兵の収容もままならない。
累々と横たわる屍を踏み越え、何度も突撃を繰り返すが、榴散弾を浴びせられ、機関銃、小銃による激しい十字砲火、無数の手榴弾攻撃、壮絶な白兵戦でロシア軍に圧倒され、思うように進撃でず目的を達成することができなかった。
この夜に登場したのが、第1師団歩兵第2旅団長 中村覚(なかむら さとる)少将率いる特別支隊の奇襲作戦だ。
白襷隊の名称は、この特別支隊将兵全員が白い襷をしたことに由来し、各師団から歩兵、工兵を選抜し、到着したばかりの第7師団も例外ではない。
また、第7師団からは衛生隊も選抜され合計3106名で組織された。
松樹山堡塁後方の堡塁、砲台を占領し、堡塁間を分断し三大堡塁の一つ松樹山堡塁を孤立させる目的で編成された決死隊で、退却は許されず拠点を確保した後は、その場に留まり援護を待つというもので、実質的に予備兵力や援護はなく、本攻撃が首尾よく松樹山堡塁を陥するまで、守り抜かなければならないという厳しい作戦だ。
白襷隊は、あらかじめ水師営付近に進出し、乃木の激励を受けた後、夜を待って松樹山第4堡塁へ前進を開始。
3000人余りの兵士は粛々と前進し、夜9時ごろ、今まさに先陣が第一線の散兵塹壕へ突撃しようとした刹那、小規模な爆発音が起き、さらに次々と誘発を引き起こした。
地雷原のど真ん中をものともせず進撃し、うっかり地雷を踏んでしまったのだ。
地雷は敵兵を殺害できなかったとしても、重傷を強いることで確実に兵力を削いでいく。
地雷の爆破音とともに、すべての兵士は、反射的にその場で身を伏せ、岩陰に身を寄せるが誘爆は止まらない。
一瞬、前進行動は止まり白襷隊に動揺が走った。
ロシア兵が爆発音の方向へ探照灯(サーチライト)で辺りを照らし出すと、いつのまにか地雷原を超え、鉄条網を突破し、光の中に浮かび上がる白いX印の群れが、堡塁正面を埋め尽くしていた。
しかも先頭は、手榴弾の投擲範囲にまで迫っているではないか。
その光景に仰天したロシア兵は、慌てて機関銃、小銃を乱射し、手榴弾を投げつける。
ことここに極まり、白襷隊は歓声を上げて猛然と突撃を開始し斜面を駆け上がるが、不幸にもサーチライトに照らしだされた白い襷が、格好のターゲットになり、榴散弾、機関銃、小銃から猛烈な銃砲弾を浴びせかけられ、あるいは狙い撃たれ、散兵塹壕に近づけば無数の手榴弾が降り注ぎ、死傷者が続出した。
それでも怯まず、累々と横たわる屍を踏み越え、突撃を繰り返し、散兵壕、堡塁に突入すると白刃を振りかざし、銃剣で突き鬼気迫る壮絶な白兵戦をしかけるが、ロシア軍の熾烈な抵抗は徐々に日本兵を圧倒する。
しかし、中村少将が重傷を負い、次々と指揮官が倒れ、死傷者は約2000人に達し、ほぼ全滅といってよいほどの混迷を極めた
白襷隊は、翌27日未明乃木の命令により残存部隊は退却した。
なんとこの白襷隊は驚くべきことに、撤退命令が出るや、動ける兵は銃砲弾が飛び交う中、匍匐して死傷した兵士に接近し、襟を掴むなどして、匍匐しながら引きずって戦線を離脱させ、夜明けまでに死傷者すべてを収容したのだ。
健康体の人は、大人の男子を担いでみるとよい。とても人間一人を担いで駆け足などできるものではない。
もしくは、老人ホームなどに行って老人介護を経験してみるとよい。老人とはいえ身を任せられると、重いし本当に手に余る。
それを地面を這いずり回りながら、兵士一人辺りが二人の死傷兵を収容したことになる。
無謀のように見えた、白襷隊の奇襲攻撃は、果敢に白刃を煌めかせ、命を惜しまず鬼神のごとく奮戦し、突撃を繰り返し、激しい銃撃を恐れず整然と撤退する様は、ロシア軍司令官ステッセルの心胆を寒からしめ、後々ボディーブローのように効いてくることになる。
前の記事 第3次総攻撃開始(第1日目)
203高地を獲れ!につづく~
-----------------------------------------------------------------
赤穂事件 乃木と赤穂事件 聖樹無憂樹
-----------------------------------------------------------------
【肉でも復興支援】
気仙沼ホルモン350g | |
気仙沼ブランド | |
亀山精肉店 |
【なんでも復興支援】
スーパーセキュリティZERO [ダウンロード] | |
クリエーター情報なし | |
ソースネクスト |
アフィリエイトで得られた金額は寄付します。ここから注文してね
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます