たつのこ半畳記 350

坐禅会情報・四季折々の様子を伝えるときどき日記。
令和3年に開創360年を迎えている起雲山大龍寺のブログです。

初めての特派布教巡回~愛媛県

2023年07月11日 | まなび
昨年4月、曹洞宗から特派布教師というお役を拝命しました。

一番の任務は、毎年4月に発せられる「管長告諭」を曹洞宗管長猊下からお預かりし、
これを伝えるために日本国内外の寺院・集会施設等へ派遣され
管長猊下の名代としてご法話などをさせていただくことです。
巡回先では、管長猊下をお迎えするのと同じように会場が調えられ、
その地方・地域の曹洞宗寺院の檀信徒が集まり、
お迎えからお見送りにいたるまで格式のある儀礼が修行されています。
昨年はこの派遣事業が実施されず、今年初めて派遣されることになりました。



初任の地は愛媛県。
高校生の頃に一人旅で訪れて以来の懐かしい県です。



◆6月18日(日)
人生初の特派布教を控えて1日前に松山空港へ。
県内の曹洞宗寺院を統括する宗務所に挨拶をしてしまうと時間がややあるとのことで、
新居浜市にある瑞應寺さまへ。ここは、枯淡峻厳な家風を堅持している修行道場です。





法堂の雲水さんたちは法要の準備などをしており、
指導役の老師のご案内で、落慶したばかりの宝物館を拝観させていただきました。



翌日のお勤めを控えて、今治城を望むホテルにて一泊。
地元の方丈さまがたと打ち合わせ、法話原稿の確認をして床に就きました。



◆6月19日(月)
今治市内のお寺さまにて、人生初のお勤めです。
緩やかな坂を上ると山門、法堂。境内の植栽が目にまぶしい。
堂内に集まっていた檀信徒さんたちはほぼ男性ばかり。
にこやかな方、厳しい表情の方、背筋のピンとした方、リラックスした方など様々。
始めは厳しい表情だった方が後半に身を乗り出して聞いて下さり励みになりました。

午前中でなんとかお勤めを果たし、松山でお昼を頂戴して大洲市へ。





翌日の教場となるお寺さんへ挨拶にうかがうと…副住職さんが知り合いでした。
住職さん、副住職さん揃って満面のにこにこ笑顔でお迎えして下さいました。
その後、大洲市の地元視察で、一泊100万円がニュースになった大洲城へ。



◆6月20日(火)
大洲のお寺さまにて2度目のお勤め。
住職さんは、健康的な日焼けでにこやかな方です。
特派布教の教場を引き受けて3ヶ月間、来る日も来る日も外作務に明け暮れていたそうです。
見えるところも見えないところもキレイにして当日を迎えられた姿に頭が下がります。
お集まりの檀信徒はほとんど男性でしたが、女性は反応がはっきりと返ってくるで心強かったです。

お勤めがおわり、檀信徒皆さんも帰られたお堂で、何人かでお昼ご飯をいただきました。
会場準備・片付けを担われていた檀信徒さんたちとの打ち解けた会話に、疲れも癒やされました。





そして翌日の教場となる隣町の八幡浜市へ。
例によって、地元視察は、八幡浜の港・道の駅で海の空気を吸います。
都市伝説にもなっているミカンジュースが出てくる蛇口、本当にありました。



◆6月21日(水)
八幡浜のお寺さまにて3度目のお勤め。
山間部のお寺ですが、お寺の入り口から本堂まで上り坂、等間隔に仏旗が掲げられています。
住職さん年輩のご老僧は、集まられているお寺さんたちの誰よりも堂内を駆け回り、
誰よりも大汗をかきながら、特派布教会を運営されています。

お勤めが終わって境内を歩いていると、住職の奥様から、
「この日のためにずっと準備をしてきた、境内の敷石なども全て住職が補修した」と。
住職さんは「それを言ってしまったら陰徳にならないよ」と。
最後は、高圧洗浄機の使い方で、話が盛り上がりました。

お昼のお弁当をいただいて、愛媛県南部の宇和島市へ。



まずは地元視察のために小雨の降る宇和島城へ。
城下からかつてのままの古道を上って天守閣へ至りました。


帰り道の途中、石垣の整備をしている所を通りました。
石垣の上の方は、上から命綱一本で雑草除去をしていくようです。


お泊まりは宇和島駅の駅舎ホテル。エンドレールのある珍しい駅です。



◆6月22日(木)
宇和島市のお寺さんの段取りで、4度目のお勤めは公民館で行われました。
雨模様の中でしたが、道案内・駐車場案内・受付など、
住職さん方、寺族さん、檀信徒さん、皆が方が協力して運営していました。



宇和島でのお勤めが終わって一気に松山へ。
翌日の教場はホテルのホールとのこと。主催しているお寺さんへ挨拶にうかがいました。
現役の時には直接的な出会いはありませんでしたが、大学院の10年ほど先輩でした。
松山には松山城がありますが、やや時間がかかることもあって遙拝のみしました。



◆6月23日(金)
今回の愛媛巡回の最終日。5度目のお勤めはホテルの貸しホールでした。
宿泊場所とお勤め会場が同じ場所であると移動面の心配がありません。
5日間の集大成!とはいえ、ライブは生もの。
聞いて下さる方との共同制作という面もあるので、
事前の準備を万端整えても、それで安心というわけにはいきません。
有り難いことに、毎日毎日、聴衆の方々に救われてなんとか勤め上げました。


ご法話を終えて、再びの松山城。でも上りません。


高校の時に、路面電車の「道後温泉駅」までは行くには行きました。
が、道後温泉には入らず、そのまま折り返し路面電車で帰りました。
ええ。今で言うところの“のりてつ”だったのです。
現在の道後温泉は、改修工事が進められていました。
アートな覆い屋にすっぽりくるまれています。


道後温泉の新しい取り組み。右側も、左側も、日帰り入浴施設とのことです。





20230623 JAL438 松山→羽田


機上で日没を楽しみました。シートが左の窓際というのも狙い通り!
よく見ると、富士山も逆光シルエットで浮かび上がっています。


羽田空港、着陸直前。葛西臨海公園と東京ディズニーリゾート。
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