神戸レガッタ・アンド・アスレチック倶楽部150年史　日本スポーツ文化史とKR&AC　に寄稿しました。

2021年03月24日 21時55分40秒 | おーいブログ

神戸市須磨区から発信！神戸市会議員の大井としひろです。
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オールブラックスの伝説的選手であるジョナ・ロムー選手（写真上右側:中央は私）

KR&ACの体育館でハカ（ニュージーランド先住民マオリの伝統的な踊り）を披露するオールブラックスのメンバー

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神戸レガッタ・アンド・アスレチック倶楽部150年史　

日本スポーツ文化史とKR&AC　に　大井としひろ寄稿文を寄せる。

神戸レガッタ＆アスレチック・クラブ創立百五十周年に寄せて

神戸レガッタ&アスレチック・クラブ　顧問　　

神戸市会議員　大井としひろ

　私が神戸レガッタ＆アスレチック・クラブ（以降：KR&ACと記載）との出会いは、おおよそ五十年程前、私が三菱重工業株式会社神戸造船所に入社した頃にまで遡ります。

　大阪府高校サッカー大会で準優勝し、大阪代表として全国大会に出場した事もあり、当時の関西リーグ強豪の三菱重工神戸フットボールクラブにあこがれて三菱重工社に入社しました。当時、サンテレビの「ダイヤモンドサッカー」を岡野俊一郎氏が解説され、ベッケンバウアーやペレのプレーを食い入るように見ていました。この番組のスポンサーが三菱重工でした。

　三菱重工神戸FCは、兵庫県下でトップチームでしたので強豪外国人サッカークラブ「KR&ACフットボールチーム」と何度か磯上のグラウンドで親善試合をしました。KR&ACチームは、欧米の長身重量級の選手が多く、フェイントで抜いたと思っても長い脚が伸びてきて苦戦したことを覚えています。（大リーグで活躍していますダルビッシュ・有投手の父上ファルサ・ダルビッシュ氏もKR&ACのサッカー選手でした。）試合が終わるとKR&ACのクラブハウスの二階で、両チームの選手が和気藹々とした雰囲気の中、サイダーで割ったビールを飲みながら談笑するのが試合後の楽しみでした。

　もう一つ楽しみがありました。それはクラブハウスの二階から見えるKR&ACのテニスコートでテニスに興じるご婦人方の様子を見ることでした。ミニスカートのテニスのコスチュームを身にまとった八頭身のご婦人方が、テニスをする様子に目が点になったことを今も鮮明に覚えています。（苦笑）

それが、KR&ACとの最初の出会いでした。

　その後三十数年が過ぎ、神戸市会議員に49歳で初当選をし、議員の立場でKR&ACについてサッカーを通じて色々ご相談を頂き今から13年前に神戸市会の本議会場でKR&ACについて質疑を行いました。

　その時に参考にさせて頂いたのが、芦屋高校の高木應光（まさみつ）先生が執筆されました「神戸スポーツはじめ物語」でした。

　その後も事ある毎にKR&ACの支援について、神戸市当局にお願いをしてきました。

　２０１５年の９月２５日の神戸市会本会議場では、会派を代表して代表質疑を行い、以下のような要望をいたしました。

　「国際観光都市神戸の国際スポーツ交流の窓口でもある神戸レガッタ&アスレチック・クラブは、今から145年前、神戸外国人居留地内に設立されました。サッカーをはじめ、ゴルフ、ラグビー、クリケット、レガッタ、テニス、ボクシング、フェンシングなど、西欧発祥の多くのスポーツを神戸から日本全国に広める役割を果たしてきました。

　また、演劇や音楽会、ダンスパーティなども開催されてきました。現在の東遊園地にあったこのレクレーショングラウンドは、1962年に磯上公園へ移転するまで、およそ90年間、神戸はもちろん、関西におけるスポーツのメッカとなっていました。

　当クラブも磯上公園に移転後53年が経ち、施設の老朽化が進んでいます。神戸市と長い間培ってきた諸外国との国際交流に資する見地から、誠意ある対応で、建物やグラウンドのリニューアル等の後押しをすることが、開港150年を迎えた神戸市のできうる真の国際交流だと考えます。

　また、現在進められている、三宮周辺地区の再整備基本構想では、神戸らしさが議論になっています。この再整備構想では、外国人同士が交流できる拠点を作ると提案されているようですが、当クラブはまさに外国人のハブとしての役割を果たす施設になるかと思います。」

　7年前には、オールブラックスの伝説的選手であるジョナ・ロムー選手（写真上右側:中央は私）をはじめメンバーがKR&ACの招きでこの施設を訪れています。その時は、2019年にはラグビーワールドカップも開催される。これから、このクラブを色々な意味でうまく使っていただきたい。と要望したのがついこの前の事のようです。

　余談ですが、奇しくも三菱重工業株式会社も明治3年（1870年）閏（うるう）10月18日に岩崎彌太郎氏が当時の商号「九十九（つくも）商会」を立ち上げ、三菱重工社も今年で創立150周年を迎えます。

　キャメロン・アレキサンダー・シム氏をはじめ31名が出席し、明治3年（1870年）9月23日にオリエンタルホテルにてモース議長の下、各種議案が審議・可決され神戸レガッタ＆アスレチッククラブ（KR&AC）が正式に発足されました。

　シム氏の母国、英国と時を一にしてスポーツクラブが創設され、シム氏の提案によってフラワーロードに面した場所に建設されたボートハウス、ジム・体育館（クラブハウス）のスポーツ施設でありながら音楽、演劇、ダンスなどが出来、さらにはバー（酒場）まで設けられていました。

　スポーツだけでなく様々な親睦的・社交的活動、ボランティアなどの社会的な活動や行事を実践するKR&ACが150年の間シム氏達の思い・ロマン・夢を実践してきた歴史でもあります。150周年を機に外国人移住者やスポーツ関係者の皆様の国際スポーツ交流の拠り所として、KR&ACが益々発展されん事を願って創立150周年に寄せての寄稿文といたします。