去る6月21日(火)経済港湾委員会が10時から開会されました。みなと総局関係でOMこうべが運営する須磨パティオのテナントの閉店が相次いでいることについて、当局と質疑を交わしましたので、報告をしたいと思います。以下質疑要旨です。
1.須磨パティオのテナントについて
Q.(大井としひろ委員)
須磨パティオでは,この4月から飲食店を中心に,20店舗前後が閉店やリニューアルをしているようだが,退店する店舗も多いようなので,経緯をお伺いしたい。
A.(分譲推進部長)
須磨パティオは設立より36周年を迎え,リニューアルを行っている。期間としては,平成28年4月から9月末までを目標に取り組んでいる。15店舗が退店、3店舗が移転、2店舗が増設する。また12店舗を新しく迎え,計17店舗リニューアルする予定である。
Q.(大井としひろ委員)
色々な店舗があるが,その契約形態をお伺いしたい。普通契約や定期借家契約の内訳は分かりますか。
A.(みなと総局長)
定期借家契約が7割,普通借家契約が3割となっている。新しいものはすべて定期借家契約となる。
Q.(大井としひろ委員)
今の回答にあった3割の普通契約の店舗はいつまでも入居できるのですか。
A.(みなと総局長)
借家の方が権利が強い制度なので,交渉によっては,いつまでも事業を行うことは可能だと考える
Q.(大井としひろ委員)
今回退店する店舗の中には,残りたいと思っている店舗が何店舗かあったように伺っているが,これは本当ですか。
A.(みなと総局長)
最初に,最近の店舗の入れ替わりは早いので大体3年から5年の定期借家契約がベースとなっている。入居している店舗の中には,OMこうべの指導を聞かない企業もある。その場合は,大体半年前までには借家期限を通知した上で,今後どうするのかといった協議を行う。最終的には相手方の合意を得た上で,契約の解約を行っている。中には意見の相違がある店もあるが,最終的には合意を得ている状況である。
Q.(大井としひろ委員)
今回退店する店舗の中には,寿司屋があるが,その後に新規オープンするのも,別の寿司屋ということで告知が貼ってある。この新規の寿司屋を決定する際,入札などの公正な競争によって行ったのですか。
A.(みなと総局長)
基本的には,空きができそうになれば,誘致を行う。誘致先と条件で合意できれば,契約する。今回誘致する業者については,リニューアルに際し,一定のアンケートをとり,モニターからの意見を聞いた上で,企業の誘致を行っている。
Q.(大井としひろ委員)
要は随意契約ということですか。
A.(みなと総局長)
最終的にはそうである。
Q.(大井としひろ委員)
OMこうべには職員が100名ほどおり,OB含めて市職員が40名ほどいる。要は,公務員とみなされる職務を遂行していると考えられるが,神戸市では22年度に判明した不適正経理処理の反省を踏まえ,「神戸市職員コンプライアンス共有理念」が定められている。新たに出店する店舗の業者選考に際して,この理念を徹底できたとお考えですか。
A.(みなと総局長)
行政施設であれば,当然公募を行うが,株式会社の施設であるため,そういった方法は行わないということをまず報告させて頂く。しかし,当然ながらOMこうべは,会社の中で,コンプライアンスを持っているので,それに従って業務を遂行し,また監査役もいるので,行った業務のチェックもできていると考えている。
ただし,株式会社であるので,基本的に公募といった方法ではなく,誘致を行い,誘致した企業と交渉できたら,契約を行う。これは,相手方と利益や便宜を供与したという状態ではなく,きちんと相手方と交渉を行って,契約をしている。そのため,企業コンプライアンス上,問題はないと考える。
Q.(大井としひろ委員)
職員と利害関係者との飲食問題ということで質問する。国家公務員倫理法は,地方公共団体にも国に準じた必要な施策を講じる努力義務を課しており,許認可や契約で接触する相手方を利害関係者とし,供応接待を受けることを禁止していることはよくご存知かと思う。今回の選定には,そのような利害関係者と飲食を共にしたということはないのか。寿司屋ということであれば,当然評価のため,試食を行っていると思うが,それは本当に自分たちのお金を出して行ったのですか。
A.(みなと総局長)
OMからの報告では,相手方と飲食を共にしたことはないと聞いている。また,試食の際には,会社側からの経費負担で行ったと聞いている。
Q.(大井としひろ委員)
元々やっていたお寿司屋がまだ続けたいと要望していたにも関わらず,退店させ,その後,新しい寿司屋を入れるということは何かあるのではないかと疑われても仕方ない。李下に冠を正さずとのことわざがあるが、このように疑われるようなことはやってはならないと思う。こういうやり方は,見直した方が良いのではないか。
A.(みなと総局長)
改善の余地はあるかと思うが,OMの名誉のために申し上げると,当該の飲食店は衛生上の問題があり,OMの指導も聞いてもらえておらず,OMとはトラブル状態にあった。
ただ,次も飲食店をベースに誘致をしていたところ,たまたま同様の形態と寿司屋が見つかり,規模も大きくなってオープンすることになった。問題のあった手続きを行ったという事実は確認していない。
Q.(大井としひろ委員)
前々回の委員会でも,私は民間委託したほうが良いのではないかと申し上げ,当局もそのような考えがあるように思うが,民間委託するためには契約等をきちんとしないといけないと思う。
このようなあくどい立退き要求を神戸市職員が行ってはならないと思う。「法令等を遵守し、全体の奉仕者として全ての市民に対して、常に誠実で公正、公平に職務を執行する」という理念に従って,遂行してもらわなければならない。
突然,行ったら食べるお店が無くなっていたという事態が生じたことも含めて,細かな観点から考えると,須磨パティオのリニューアルのやり方は腑に落ちない。
市民中心ということが頭に無ければならない。
やはり,民間委託した方が良いのではないか。
良い機会だと思うので,今までの神戸市のやり方を見直して頂きたい。
須磨パティオ周辺は高齢化が進み,須磨区は50年後には消滅する可能性があるとも言われているので,若い方が来てもらえるようにしてもらいたい。
月曜日には,新しくリニューアルされた喫茶店に朝から行列ができており,市民のみなさんが期待しているのだとも感じたが,そのようなことも含めて,市民本位の経営を行ってもらいたい。
A.(みなと総局長)
OMこうべは三セクであり,我々はOMこうべの筆頭株主であるので,それを肝に銘じ,OMこうべには,今回のリニューアルに際して,反省すべき点は反省し,市民本位の経営に立ち返り,今後の経営を進めるよう,きつく申し伝える。
以上のような質疑のやり取りがありました。神戸市民の皆さんには今回の件はどのように映りましたでしょうか。ご意見をお伺いしたいと思います。
神戸市会議員大井としひろメール:ooi@kobe-001.comまで、メールなどでご意見をお待ちしています。
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