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新型インフルエンザ対策講演会

2009年02月13日 18時03分14秒 | 新型コロナウイルス感染症
こんばんわ。
いつも「おーいブログ」にアクセスしていただき、ありがとうございます。

11日(水)の祝日の日の10時半から須磨パティオ3階の大ホールにおいて、須磨防火安全協会主催で、「新型インフルエンザ対策講演会」が開催され、案内を頂いていましたので出席させていただきました。
会場には須磨区民の方150名ほどが出席され、真剣に講師の話を聞いておられました。

講師には、神戸市須磨区保健福祉部の伊原参事と神戸市保健福祉局健康部今村主幹のお二人が講師となって、市民の皆さんにわかりやすくお話をしてくださいました。

今回の新型インフルエンザのお話は、大変有意義なお話でしたが、やみくもに不安を煽ることのないようにしなくてはなりません。
不安な時は、正しい情報を得て無用な混乱に巻き込まれないようにしなくては・・。とは言え、備えあれば憂いなし、パニックにならないように慎重に行動できるように確かな情報も把握しなくてはと思っています。

関連おーいブログ  神戸市「新型インフルエンザ対策実施計画」について

デザイン都市・神戸と新型インフルエンザと韓国合同新年会

新型インフルエンザに関する情報↓↓   
         
          神戸市
         
          厚生労働省
         
          国立感染症研究所感染症情報センター

          
(講演要旨)
須磨区保健センター 伊原参事

「新型インフルエンザの発生、世界的大流行の危険性がある」

○風邪とインフルエンザは全く違う病気!
■かぜ(感冒)
・のどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳などが中心。全身症状は少なく、重症化も無い。
■インフルエンザ(流行性感冒)
・かぜ症状に加え、38度以上の突然の発熱、全身倦怠、頭痛、筋肉痛など全身症状が強く、重症化することもある。
小児、高齢者は肺炎、脳炎を併発、死亡も。死亡数は推定5000人?

○インフルエンザの原因
■インフルエンザウイルスの感染による。
■感染力が強く、患者のくしゃみ、咳の飛沫のなかのウイルスが口、鼻、目の粘膜から侵入。

○インフルエンザの予防と治療
①予防
■人ごみを避け、うがい、手洗い、マスク
■ワクチン接種(毎年必要)
■換気、暖房、加湿(60%以上必要)
■自己の体調管理、体力、抵抗力は基本!

②治療
■安静、休養
■解熱剤、抗インフルエンザウイルス薬(タミフルなど)
■重症なら入院、呼吸管理

○インフルエンザの2つの流行
①通常の流行
■毎年12月から3月頃に
・ウイルスの構造に大きな変化が無く、これまでの免疫が働く。

②世界的大流行
■数十年周期で大流行
■重症化、死亡が多い
・ウイルスの構造が突然変異で大きく変化し、これまでの免疫が働かない。

○20世紀に出現した新型インフルエンザの世界的流行
■スペイン・インフルエンザ 大正7年(1918年)推定4000万人が死亡
日本で40万人が死亡
■アジア・インフルエンザ 昭和32年(1957年)推定400万人死亡
■香港・インフルエンザ 昭和43年(1968年)推定100万人死亡
■ソ連型・インフルエンザ 20年前小さいが流行した
「新型」は、10年~40年の周期で流行してきた。
⇒1968年の「香港インフルエンザ」流行からすでに40年経過し、次の新型インフルエンザがいつ現れてもおかしくない。

○新型インフルエンザウイルスの由来は?
⇒鳥インフルエンザの突然変異で起こる。
■自然界には微妙に構造が異なるインフルエンザウイルスがたくさんある。
ヒト以外に鳥、豚などに感染する。
■ヒトインフルエンザウイルス(呼吸器)は、鳥インフルエンザウイルス(腸管)由来である。
■鳥で感染していくうちにウイルスが変化し、ヒトへと感染する新しい型のインフルエンザウイルスが出現する。

○高病原性の鳥インフルエンザが人に感染
■2003年以降、世界中で高病原性鳥インフルエンザが発生し、鳥が大量に死亡し殺処分されている。
■2003年以降、インドネシア、ベトナムなど東南アジア諸国で、通常ヒトには感染しない鳥インフルエンザのヒトへの感染例が増加してきている。
⇒これまで約350名以上が発病し、200名以上が死亡している。致死率60%以上
■幸い今の所感染したヒトから別のヒトへの感染は確認されていない。
⇒現在は、高原性の鳥インフルエンザは鳥から人に感染する段階(致死率60%以上)
■今後さらに変異して、鳥インフルエンザが人から人に感染するようになると、新型インフルエンザの誕生となる。

○次に新型インフルエンザが登場したら、(昔より医学が発達しているのに)なぜ、世界的大流行、大被害が予測されるか
■全ての人が新型ウイルスの免疫をもっていない。
■都市への人口集中、過密(通勤環境など)・飛行機などの高速大量交通機関の発達⇒短期間(1週間)で地域、地球全体に広がる。
■現在、人に感染する鳥インフルエンザの致死率が60%以上と高く、新型も病原性が高いと考えられる。

○新型インフルエンザに従来のワクチン、抗インフルエンザウイルス薬は有効か?
■新型はウイルスの構造が大きく異なるため既存のワクチンは効かない。
⇒新型が発生した段階でワクチンを製造開始するので、新しいワクチンが出来るまで約6ヶ月かかり、間に合わない。
■現在の抗インフルエンザ薬(タミフルなど)はある程度は期待できるであろう。

○新型インフルエンザの大流行、大被害を阻止することはできるか?
■発生初期に範囲が限られているうちに、隔離、移動制限、抗インフルエンザ薬投与を行い、流行の拡大を遅らせ、その間に新型ワクチンの開発が出来れば、被害を少なく出来るかもしれないが・・・。
■一般的に大流行を阻止することは非常に困難であろうと考えられている。

○新型インフルエンザが発生し、流行した場合の日本での被害規模の予測は?
⇒ウイルスの病原性、治療効果、対策によるが、
■被害が大きくなれば死亡数は5万人?
◎被害が大きい場合は、
・感染者(4人に1人)3000万人?
・重症入院患者     200万人?
・死亡数         50万人?

○新型インフルエンザが発生したら⇒予防が第一である。
■人ごみを避け、うがい、手洗い、マスク
■ワクチン接種(毎年必要)
■換気、暖房、加湿(60%以上必要)
■自己の体調管理、体力、抵抗力は基本!

○自分に疑わしい症状がある時は、⇒他人に感染させない
■重症でなければ自宅で安静
■飛沫が周囲に飛び散るのを防ぐために「咳エチケット」を徹底!
咳の時、手やハンカチで口を押さえる。マスクをする。
■直接、医療機関を受診すると待合室で他の患者に感染させてしまうので、まず電話で相談を。

○外出、社会活動の自粛と備蓄
⇒最も確実な予防方法は原因に接触しないこと。
■人が集まる事を避ける、外出しない。集会の中止。会社や学校の休業
■ライフラインの機能低下も予測される!
⇒災害時と同じく、飲料水、食料品、常備薬、日用品などの生活必需品の備蓄を。


写真下:今村主幹の講演風景


(講演要旨)
神戸市保健所 今村主幹

「新型インフルエンザ対策」

最初に今村さんから一番怖いことは、「市民の皆さんがパニックになること」いかにして「市民の皆さんが冷静に対処できるか」このことを考えていると「行政の出来ることすくない」とも言われました。お手上げの状態とも述べられた。

○新型インフルエンザ対策の基本
現段階では、決定的な予防法、治療はありませんが、次のような対策が考えられています。
1)鳥段階での流行を可能な限り制圧し、人への感染リスクを最小限にすること。
2)人に感染した場合は、患者の早期発見、封じ込めによるウイルスの拡散を防止する。
3)流行時は、出来る限りの感染予防策を講じて、少しでも流行を抑える。
4)その間に新型ウイルスに対するワクチンを製造する。

○未発生期の発生に備えた準備
1)行政機関・事業者における事業継続計画策定
2)感染防止策等の市民啓発
3)医療提供体制の整備
4)抗インフルエンザウイルス薬(タミフルなど)及びプレパンデミックワクチンの備蓄

○海外発生期の対策
1)国に「新型インフルエンザ対策本部」設置
2)検疫の集約化、停留等の開始
3)国民(在外邦人含む)への情報提供の強化
4)医療従事者等へのプレパンデミックワクチンの接種開始
5)パンデミックワクチンの製造開始

○国内発生早期の感染拡大防止策
1)感染者の感染症指定医療機関等への入院措置
2)疫学調査に基づく感染の疑いのある接触者の外出自粛、健康観察要請
3)抗インフルエンザウイルス薬(タミフル等)の予防投与
4)学校の臨時休業
5)不要不急の外出自粛要請
6)事業者に対する不要不急の業務の縮小要請

○感染拡大期、まん延期の対策⇒健康被害最小化、社会機能維持
1)パンデミックワクチンが製造され次第、接種開始
2)社会的弱者への支援
3)まん延期には、原則として全ての医療機関で診療
4)軽傷者は自宅療養、重症者は入院

○患者振り分けシステムで診療
1.目的
1)医療機関における診療時の感染拡大防止
2)専門集中的に診療することによる効率化
3)軽症者に自宅療養を勧め、医療需要緩和
2.方法
発熱相談センターで受診相談し、症状や行動から感染の可能性別に受診機関を指定する。
1)発熱外来(感染者を専門的に診療)の設置
2)電話相談窓口設置

○抗インフルエンザウイルス薬
1.薬剤 タミフル、りレンザ(吸入薬)
2.治療投与 1日2錠5日間集中投与
3.予防投与 同意を得たうえで、行政医等の判断により処方、1日1錠10日間

1)感染者初発時 接触者全員対象
2)初期段階 
濃厚接触者対象(患者家族、感染防御措置不十分な医療関係者、直接対面接触者等)
3)感染拡大時 予防投与しない(患者家族?)

4.備蓄量
1)国全体で、国民の23%⇒45%
2)うち兵庫県458,000人分
一部は、医療機関、保健所に配置済み

5.効果
・あるのではないかと推測
・通常のインフルエンザでもタミフル耐性出現

○プレパンデミックワクチン
1.現在、接種順位を国で作成、検討中
1)3つのカテゴリーに分ける。
2)カテゴリーⅠは医療関係者など。発生前若しくは発生後速やかに接種。
3)カテゴリーⅡは治安維持関係者等。カテゴリーⅠ接種後速やかに接種。
4)カテゴリーⅢはライフライン関係者

2.備蓄量 20年度までに国で3000万人分
3.臨床研究 副反応、効果等について研究中
4.効果 
・新型インフルエンザに対する効果は不明。
・抗体ができ、効果が出るまでに3~5週間
・効果の持続時間も不明。一般的には、ワクチンの効果は一年以上は持続しない。⇒パンデミック前に接種するものだが、早く事前接種しても役立つ可能性は低い。

○パンデミックワクチン
感染拡大までの時間を稼いで、その間に国民に接種できるようにする。

1.新型インフルエンザ発生後製造開始
2.現在の製法では、半年後くらいから供給開始、全国民分製造には約一年半
3.すべての国民に接種予定
4.接種順位については、原則、プレパンデミックワクチンに準じる。その他の順位は、検討中。

○神戸市の事前対応
1.神戸市及び保健福祉局、消防局、危機管理室など各局において新型インフルエンザ対策実施計画作成
2.訓練を定期的に実施
3.関係機関と連携を強化するため、また、専門家の助言を受けるため各種委員会を開催
4.防護装備(マスク、手袋、感染防止衣等)、患者搬送用車両準備

○皆さんができる平素の予防対策
1)外出後の手洗い
2)流行地への渡航、人ごみや繁華街への外出を控える(不要不急の外出の自粛)
3)十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日ごろからバランスよく栄養摂取。
4)部屋を加湿(乾燥させない)
5)生活用品等を備蓄(最低2週間分)
6)咳エチケット(マスク着用)

○何をどれくらい備蓄
1)備蓄するもの
・食料品(飲料含む)
・医薬品(マスク、消毒液含む)
・生活用品
2)備蓄量
・最低2週間分
・2か月分が望ましい

○大流行している場合
1.可能な限り外出を避ける
2.外出する際は、公共交通機関の使用は可能な限り避け、マイカー等を利用
3.予防的にマスクを活用(100%ではない)






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