今年も この薔薇の花が咲きました
黒いビロードのような薔薇です
今日は 一人暮らしを貫いた 父の命日
母の形見の この薔薇の花が開花すると
父の命日が近くなり 亡き両親を思いだす
子供の受難の今の時代では 考えられないが
小学生の頃
夕方になり 雨が降ると
父の長い雨傘を持ち
最寄の駅まで 子供の足で 15分位
長靴を履いて 会社帰りの父の時間に合わせ迎えに行く…勿論一人で
電話も携帯電話も無い
この時間には帰ってくるだろう・・・推測で迎えに行く
改札口から流れ出て来る帰宅者が
何重にも重なっている 出迎えの人で・・・
子供の私には大人の背中で見えない
電車が着き 改札口で 出会えた家族が帰っていく・・・
何回か 同じ動きがあると 次第に人が少なくなり
帰ってくる父が 見つけ易くなる
時には 残業?だったのだろうか・・・
何回か電車が着いても 父の姿が見つからない時もあった・・・
うまく会えた日 ニコッと笑った父の後から…歩く…話しながら
テレビもゲームも無い ラジオが夜の娯楽の時代
通りにも自動車の交通事故等無く
子供一人で 出歩く事に なんの不安の無い よき時代
そんな時代だからの 思い出・・・
今思うと テレビが家に来た時から
徐々に 迎えにも行かなくなったような気がする