恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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俺の気持ち…~その7

2015-08-25 07:16:46 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
俺の気持ち…~その7

〈譲二〉
 ベッドの上と下、2人並んで横になる。


汐里「ねえ、マスター…。私を抱いてはくれないの?」

譲二「ああ、抱かないよ…」

汐里「それは私に女としての魅力がないから?」

譲二「そういうことじゃなくて…。さっきも言ったけど、俺たちは恋人でも何でも無いだろ?」

汐里「じゃあ、恋人になったら抱いてくれるの?」

譲二「恋人だとしても…、すぐにそういう関係になるわけじゃないよ…」


 俺の歯切れの悪い言葉に、汐里ちゃんは叫んだ。


汐里「うそ! 男の人ってすぐにそういうことをしたがるよ。私が誘っても抱いてくれないのはマスターだけだよ…」


 俺は面食らった…。

 俺だけじゃなく…、まずいと思えば女性に誘われても抱かない男なんて他にいるだろ。


譲二「あのさ…、汐里ちゃん。汐里ちゃんは本当に今までそんなに簡単に男に抱かれて来たの?」


 汐里ちゃんはボツボツと自分の身の上を話し始めた。

 その話から考えてみるに…。



 汐里ちゃんは、これまで男とは自分の体でしかコミュニケーションを取れなかったのだ。

 本当は出会った男に父親の影を見、父親が自分に与えてくれるであろう愛情をその男から貰いたかったのだろう。

 しかし、相手の男は彼女に体の関係しか求めなかった。

 だから、その男を自分に引きつけておくために、汐里ちゃんは直ぐに体を許して来たみたいだ。

 俺は…そんな彼女を抱くわけにはいかないと思った。

 本当に彼女が求めているのはそういうことではなく、彼女の心を温めてくれるようなそんな関係なのだろう。

 それに彼女自身すら気づいてはいないみたいだけど。



 俺は布団から起き上がると、汐里ちゃんをそっと優しく抱きしめた。

 そう、彼女の父親が彼女を抱きしめるならそうするように…。

 俺はただのダミーにしか過ぎないけど…。

 でも、彼女が望むなら父親のダミーでありたい…そう思った。



汐里「マスター…、やっぱり私を抱いてはくれないの?」


俺の胸に顔を埋めた汐里ちゃんのくぐもった声がする。


譲二「ああ、汐里ちゃんを抱いたりはしない。俺は汐里ちゃんが今まで会って来た男たちと同じにはなりたくない…」


汐里「…ありがとう、マスター」


譲二「さあ、もうお休み。こうして横で見ていてあげるから…」

汐里「おやすみなさい、マスター」

譲二「ああ、おやすみ」


 そっと、彼女の額にキスをした。

 

『俺の気持ち…』おわり