恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。

インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。

手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事


他にも順次インデックスを作ってます。インデックスで探してみてね。



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俺の気持ち…~その6

2015-08-24 07:55:00 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
俺の気持ち…~その6

〈譲二〉
 クロフネに帰って着替えを済ませると、俺は「ココアを飲もう」と汐里ちゃんを誘った。


 ココアを飲んで、少し落ち着いたのか汐里ちゃんがなぜしょげていたのかを話してくれる。


汐里「あのね…。お父さんは私を抱きしめてくれはしなかったよ…。
私がよそで育った娘だからかな…」

譲二「それは…、汐里ちゃんがもう大人の女性だからだよ。
小さい頃からお父さんと一緒に暮らして来た女の子でも、大人になったら、お父さんは娘をそうそう抱きしめたりはしないと思うよ」

汐里「じゃあ、もっと小さい時にお父さんに会っていたら抱きしめてもらえたかな?」

譲二「そうだね。そう思うよ」

汐里「マスター…抱きしめて…」

譲二「お父さんみたいに?」

汐里「うん…」


 俺は汐里ちゃんを優しく抱きしめた。

 柔らかい彼女の体を抱きしめていると…俺の中の違う感情が頭をもたげて来る。

 しかし、それを必死になだめて、俺は彼女をただただ静かに抱きしめていた。


☆☆☆☆☆


 「今夜は独りで寝るのが寂しい」という汐里ちゃんのために、彼女の部屋で俺は寝ることにした。


 汐里ちゃんのベッドの横に布団を運んで来て、敷いた。


汐里「マスターのベッドで一緒に寝たい」

譲二「恋人でもない男女が同じベッドで寝るわけにはいかないだろ?」

汐里「私たち恋人じゃないの?」

譲二「恋人じゃないよ」

汐里「だっていつも抱きしめ合ったり、熱いキスをしたりしてるもん」

譲二「こらこら、熱いキスなんかしてないだろ?」

汐里「したよ、一回」

譲二「あれだけだろ? あれは数に入らない」

汐里「マスター、ずるい」

譲二「ずるくありません。そんなに言うなら、俺は自分の部屋で寝るよ」

汐里「わぁ! 待って!」

 

その7へつづく


俺の気持ち…~その5

2015-08-23 07:08:29 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
俺の気持ち…~その5

〈譲二〉
 その次の日は午後から臨時休業にして、会社の寮に汐里ちゃんを連れて行く。

 早めに出たので、約束の時間の30分前には着いた。

 寮では、兄貴がもう来て待っていてくれた。


紅一「やあ、譲二。汐里さん。先方はまだだが…。先に部屋で待っているかな?
3階の応接室で会ってもらう予定なんだ」


 汐里ちゃんが不安そうに俺の顔を見上げた。


汐里「マスターは?」

譲二「俺は遠慮しないとまずいだろう? 7階の喫茶コーナーのところで、缶コーヒーでも飲んで待っているよ」

紅一「そうしてくれるか? とにかく、先方と会う人間はなるべく少なくしたいんだ。
管理人さんにも表には出てこないように頼んであるし、お茶のセッティングだけしてもらって、後は俺が運ぶことになっている」


 3人でエレベーターで上がる。

 3階で下りる汐里ちゃんに「頑張って!」と声をかけて、俺は7階に上がった。


 缶コーヒーはすぐに飲んでしまった。時間つぶしのために持って来た愛読の歴史小説を読んで過ごした。


☆☆☆☆☆



 寮からの帰り道、ちょっと元気のない汐里ちゃんを食事に誘った。

 少し前から目をつけていたしゃれたイタリアンで早めの夕食をとる。

 汐里ちゃんは「マスターと二日連続でデートできるなんて…」とはしゃいでいる。

 しかし、それは無理をしているのだと俺には分かった。

 お父さんと…、うまくいかなかったのだろうか?

  夜にでも、兄貴に電話して聞いてみよう。


 帰り道は二人とも言葉少なめだった。

 

その6へつづく


俺の気持ち…~その4

2015-08-22 07:31:05 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
俺の気持ち…~その4

〈譲二〉
 翌日、早めに店を閉めて、汐里ちゃんを連れ出した。


汐里「ねぇ、デート? デートなの?」

譲二「いや、デートというほどのものじゃないよ…」

 汐里ちゃんはお父さんに会うのに、きちんとした服がないと言っていたので、ひと揃いを俺が買ってあげることにした。

今まで店のために一生懸命働いてくれたのだから、そろそろご褒美をあげてもいいだろう。

 派手ではなく清楚な感じの洋服を何着か選んだ。

汐里ちゃんはいそいそと試着室に行き、ファッションショーさながら俺に見せてくれる。

 「こんな洋服、着るの初めて」といいいながらとても嬉しそうだ。

そして、そういうきちんとした服装をすると、いいところのお嬢さんといって通りそうな容姿をしているのに俺は気づいた。

 俺が一番気に入った洋服を汐里ちゃんは選び、その服に合う靴とハンドバッグも揃えた。


汐里「マスター、ありがとう。本当にいいの? 全部出してもらって…」

譲二「ああ、汐里ちゃんには今まで随分働いてもらったからね。その特別ボーナス」

汐里「お父さん、気に入ってくれるかなぁ」

譲二「ああ、こんな美人の娘がいたら、男親としたらとても嬉しいと思うよ」


 汐里ちゃんは俺の腕にしがみつくように腕を組んで歩いている。

 本当に恋人気取りだなぁ…。

 ま、俺もまんざらではないんだけど…。

 

 

その5へつづく


俺の気持ち…~その3

2015-08-21 07:46:33 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
俺の気持ち…~その3

〈譲二〉
 兄の紅一から電話が入った。


紅一「もしもし、元気か?」

譲二「ああ、相変わらずだよ。…今日はもしかして、この間頼んだことについてかな?」

紅一「ああ、例の社長と話してみたんだが…、娘とは会えないの一点張りでね…」

譲二「そうか…」


 俺は兄貴に、父親が法律事務所を通して手切れ金を打診して来た話をした。

 そして、汐里ちゃん本人はお金目当てではないから受け取らないと答えたことも。


紅一「そうだろうな…。金でどうこうという話じゃないだろうと俺も思った。それで、うちの銀行の社員寮を知ってるだろ?」

譲二「ああ、おもに研修とかで使っているとこだろ?」

紅一「ああ、あそこは普段は管理人以外はいないし、人目に立つような場所でもない。だから、そこでその娘さんと会ってもらったらどうかと提案してみたんだ」

譲二「それで?」

紅一「場所まで提供するからということで、向こうも渋々だけど了承してくれた」

譲二「ありがとう、兄貴。そこまでしてくれて…」

紅一「お前に恩を売ってがんじがらめにするいい機会だからな…。
それで、急なんだが、明後日の午後2時に会うということで、大丈夫か?
 向こうはその時間以外ダメだそうだ」

譲二「ああ、なんとかするよ。ありがとう」


 俺は兄貴が俺のために動いてくれたのを喜んだ。

 昔だったら、とても素直には受け取ることができなかったろう…。

 兄貴は相当苦労してくれたのだろうし、俺も汐里ちゃんのために出来るだけのことをしたかった。



 電話の途中から、自分のことだと気づいたのだろう、汐里ちゃんは俺の側で話を聞いていた。

汐里「お父さんに会えるの?」

譲二「ああ、急だけど…、心の準備は大丈夫?」

汐里「うれしい! マスター、ありがとう」


 汐里ちゃんは思いっきり俺に抱きついた。

 俺も今回ばかりはぎゅっと抱きしめる。


譲二「俺は何もしていないよ…。兄貴が色々骨を折ってくれただけだよ…」

汐里「それでも、マスターがお兄さんに頼んでくれなかったら…、本当にうれしい!」

譲二「こら、だめだったら…」

 汐里ちゃんは俺に飛びついてキスして来た。

 でも、まあ、今回はいいか…。

 

その4へつづく


俺の気持ち…~その2

2015-08-20 08:04:26 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
俺の気持ち…~その2

〈譲二〉
 百花ちゃんが恋人と帰った後、汐里ちゃんは珍しく俺に抱きつかずに謝って来た。


汐里「マスター、今日は百花さんに変なことを言ってごめんなさい」

譲二「百花ちゃんはそんなに気にしてないと思うよ。ちょっと面白がっていたんじゃないかな」

汐里「でも…。…マスターは百花さんのことが好きだったんですよね」

譲二「え?」


 久々にドキリとする。さすが女の子、鋭いかも。


汐里「いまも…百花さんのことを好きなんですか?」

譲二「例えそうだとしても…恋人のいる百花ちゃんのことを軽々しく好きだとは言えないだろ?」

汐里「やっぱり好きなんですね?」

譲二「彼女のことはね、とても小さな頃から知っているんだ。
小さすぎて、百花ちゃんの方は覚えていないみたいだけど…。
だから、単純に女性として好きというより、もう少し複雑な気持ちを持ってる。
年の離れた妹をみるような気持ちも混じっているし…って、何を言わせるんだこの子は」


コツンと軽く彼女の頭を叩く。

汐里ちゃんは潤んだ瞳で俺を真っ直ぐに見つめた。


汐里「百花さんのこと…、私より好きなんですか?」


百花ちゃんと汐里ちゃんでは好きの種類が少し違う気がする…。

でも、それを正直に言っていいものかどうか…。


譲二「どちらも好きだよ。どちらの方がより好きとか比べられるようなものじゃない」

汐里「私はマスターが一番大好きです」

譲二「うん。ありがとう」

汐里「だからマスターにも私を一番好きになって欲しい」


 俺はちょっと考え込んだ。


譲二「そうだな…。今は汐里ちゃんが一番好きだよ」


 俺が出来るだけ軽い感じで言うと、汐里ちゃんはなんだか不満そうだった。

「私は本気なのに…」とかなんとか、ブツブツ言っている。

 どうやら、俺が軽いノリで言ったと取ってくれたらしい。


 よかった…。

こんな歳の若い子に俺が本気で好きだなんて思われない方がいい。

 彼女には、もっとふさわしい男が現れる筈だ…。

 きっと………俺はそれをそっと見守るんだろうな…。

 百花ちゃんの恋を見守ったときと同じように…。

 

その3へつづく