ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

秋の夜の露をば露と置きながら雁の涙や野辺を染むらむ

2017-09-20 03:11:31 | 古今抜粋

秋の夜の露をば露と置きながら雁の涙や野辺を染むらむ    壬生忠岑


秋の夜の露を露と置きながら、空飛ぶ雁の涙も、野辺を染めているだろう。

麗しい光景だ。露という言葉がふたつあれば、野に無数の露が結ばれている情景が目に浮かぶ。

それが空飛ぶ雁の涙だとして、大いなるものの世に対する悲しみの隠喩にするのだ。



飛ぶ雁の心を知らば白妙の月も雲れと人はあふがむ    揺之






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