「かゆがっている」と、ご来院
の患者さまが多いので、
今日は皮膚炎のお話です。
皮膚の同一部位を繰り返し、
掻いたり、舐めたりする動作は、
かゆみがあるからという場合が多いです
掻き方がひどいと、
皮膚に傷がついたり、炎症
を起こしてしまいますので、
適切な処置が必要になります。
原因
1) 外的要因(ノミなどの寄生虫など)
2) 内的要因(アレルギーや自己免疫性の病気など)
3) 1) 2)以外のさまざまな要因
観察のポイント
1) 部位
背中や腰のあたり→外部寄生虫の感染の可能性
腹部や脇の下など体の下側→アトピー性皮膚炎の可能性
顔や耳→食物アレルギーや外耳炎の可能性
2) 時期
決まった時期にかゆがる→外部寄生虫の感染
→アトピー性皮膚炎
3) 程度
皮膚を掻き壊すほどか、たまに掻く程度か
4) 同居の人・動物にかゆみはないか
あり→外部寄生虫の感染
5) 食事の変更の有無
変更後にかゆみが出た→食物アレルギーの可能性
6) ほかの症状
脱毛、発疹、ふけの有無などはあるか
ケア
1) かゆがっても掻かせない
極力掻かせない、噛ませない、が重要
(炎症が悪化し、ますますかゆみが強くなるから)
服を着せたり、*エリザベスカラーを着けたり、
気を紛らせる工夫をする
*傷口などを舐めたりしないよう首に巻きつけるもの
2) 外部寄生虫感染の予防
1か月に1回の予防・駆除薬使用
よく清掃し、清潔な環境を保つ
3) シャンプーの選択
獣医師の指示に基づき、適切なシャンプーを使用
4) 食物アレルギーの場合の食事
アレルギー検査(アレルゲンを知る)の結果から、
アレルゲンを排除または極力控えたフードに変更
する
5) 食器を変える
(ステンレス性、プラスチック性の食器に、
アレルギーを起こすこともあり)
口の周辺→かゆがる・皮膚が赤い・毛が抜ける
といった場合、陶器などの食器に変えてみる
6) 内服薬を服用する
症状に合わせた薬を服用することにより、
かゆみの軽減と炎症を抑える
アレルギーのお話は、「愛犬の友」 2011年10月号 に
香織先生が記事を執筆しました。
この本は、待合室
にありますので、どうぞお読みください
また、コピーも差し上げますので、受付にお申し付けください
処方食を続けている飼い主様に、お知らせです。
当院では、新鮮なフードをご提供したいと考え、
在庫しておりません。
土曜日を除く平日11時までに、ご注文いただきますと、
当日の16時半頃までにご用意できます。
(メーカーによっては、翌日になります。)
ご注文は、お電話で結構
です。
すぐに、ご用意できるとはいえ、
残りわずかとなる前に、余裕をもって、
ご注文いただければと思います。
猫には、スポット(滴下)タイプの駆除剤しか
なかったのですが、
飲むタイプのノミ駆除剤がでました
犬用として既にあったものが、
猫でも使えるようになったのです。
(猫用のノミ駆除剤としての効能も承認
されました)
牛肉風味(匂い付き)の錠剤です。
服用後、約30分でノミ駆除を開始(即効性)し、
4時間で駆除が完了します。
スポットタイプと同様、1ケ月間効果が持続します。
グルーミングによる影響がなく、
飼い主様に薬剤がつくこともありません。
また、気にせずシャンプーができます。
多頭飼いの場合は、再感染を最小限にするため、
全頭に投与することが望ましいです。
参考 2011.5.17 季節の予防(ダニのお話)
2011.5.24 季節の予防2(ノミのお話)