■こならの森174号■2002.10発行
表紙 「 いちょうと道路標識」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森11月号■
結婚しました。……………………4
青春レストラン……………………5
スローフード………………………6
JCジャーナル……………………8
美術館案内・館林美術館……………10
風の独り言……………………………16
書評/絵本紹介………………………17
三鴨の窓辺から………………………18
各市文化会館情報……………………20
インフォメーション…………………22
[映画・CD・ビデオ・コンサートetc.]
イベント情報/協賛店マップ
■■■■■■■■■■■■■■■
【本文抜粋記事】
どこか懐かしい
スローフード
「ふるさとの味おふくろの味」
スローフードの企画を考えていたときに、思いあたったのが「ふるさとの味おふくろの味」という本だった。同書を知ったきっかけは、知人の母親からいただいたコンニャク芋が大きく成長して、いよいよ手作りコンニャク造りに挑戦というときに、この本も貸して頂いだ。コンニャクの他にもいろいろと手作り食品や漬け物などの加工食品の作り方が載せてあって興味津々、いつしか愛読書になったしまった。
そして幾つかのレシピをこならの森でも紹介したいと、発行元の栃木県農業者懇談合に問い合わせてみたら、こころよく承諾していただいた。
肉食・肉料理が献立の中心の今、同本は昔ながらの野菜中心のレシピが多数紹介されている。試みに、数ある今の料理本のレシピの中から、肉魚類を全く使っていない料理を探してもらいたいと思う。「ほんだし」はもちろん、コンソメの素、肉類を使用したと思われる類のソース、だし入り味噌、など厳しく使用をチェックしていったら、全てが消えてしまうに違いない。それほど、肉中心の食生活になってしまっている。テレビでは野菜だけの料理を精進(料理)とまでいって一括りにしているほどだ。
同本には、しもつかれや昔懐かしいタンサン饅頭から唐沢山の松茸料理なども掲載している。残念ながら、現在は発売されていない(それに代わって「新しい味とちぎ」(1050円)という本は発売されているということだ)。しかも、聞き取りや執筆協力者により実際に日頃から作っている料理を紹介している。また郷土料理12ヶ月や日光輪王寺などの特別料理、民俗学からみたふるさとの食制など、貴重な資料も網羅している。
誰でも知っている料理から、聞いたこともない名前まで目次を見ているだけでも楽しい。全部は紹介できないが、幾つか紹介したい。
まず変わったところでは、ニラの花の酢のもの/つくしのから煮/つくしのピクルス/ズイキ(ヤツガシラのイモガラ)の保存食。名前で聞き慣れないもの(編者だけなのかもしれないが)に、「おつぼ(法事料理)」/「おこと汁(お講汁)」/「にごり」/ざくもり(お祭り料理)
■タンサンまんじゅうだけじゃない。
手作りまんじゅうも、きんとんまんじゅう/ヤマイモまんじゅう//地粉の工夫まんじゅう/みそ入りまんじゅう/牛乳入り小麦まんじゅう/酒まんじゅう/小麦まんじゅう/田舎まんじゅう/小麦(白色・褐色)まんじゅう/むしまんじゅうなど多数。
■残りごはんを利用
またやりくり主(夫)婦にうれしい、残りごはんのお菓子/冷やごはんの衣揚げ。
■今回はその中から2点ほど紹介いたします。
「おつぼ」
法事料理の一つです。作り方は簡単で、インゲン、サトイモなどの材料が片栗のトロミで、口当たりがなめらかになり美味しく、普段のおそう菜にもなります。
なおつめたくなるほど美味しいので、秋の農繁期の保存食の一つにしております。
1 白インゲンは水洗いし、指でつぶれ る程度にやわらかく煮ておく。
2 サトイモ、ニンジン、ゴボウ、こんにゃくを全部さいの目に切る。
3 鍋に、1、2、の材料を全部入れ、ひたひたの水、調味料を入れて、火にかける。
4 野菜がやわらかく煮えたら、ゆるく水溶きした片粟粉を入れてトロミをつける。
(小川町 川上さん)
■材 料
白インゲン…2合
サトイモ……5個
ニンジン……小1本
ゴボウ………小1本
こんにゃく…1丁
■調味料
しょうゆ…大さじ4
砂 糖……大さじ2
片栗粉……大さじ2
「おこと汁」
祖母が何かことある日にこしらえて、おこと汁といっていたので、私は何となくおこと汁と思っていましたが、あとになってお講汁、また、いとこ汁などと、いう似たような料理の記事を読んだことがあります。本当の名はしりません。
1 小豆は洗って一晩水につけ、翌日大鍋に水をたっぷり入れてことこと煮る。
2 ダイコンはいちょう切り、ニンジンは太ければ二つに割って、細ければそのままの薄い輪切り、サトイモも輪切り(野菜全部をけんちん汁の時のよううに切ればよい)。
3 ゴボウは斜めうす切りにして、水に放ちあくを抜き油揚げ、熱湯をかけて油抜きにしてから短冊切り、こんにゃくは油揚げくらいに切ってさっとゆでる。
4 小豆が八分通り煮えたところに、野菜を入れて煮る。野菜が煮えるころは小豆もつぶれるくらい柔らかくなっているから、油湯げ、こんにゃくを入れて、塩、しょうゆで味付けし、温かいところをいただく。(もし途中水が少くなったら適当に水をさしてよい。味加減はおすましより濃いめがよい)。
(宇都宮市 加藤さん)
■材 料
小 豆………カップ1
ダイコン
ニンジン
サトイモ………取り合わせ500gぐらい
ゴボウ
油揚げ………1~2枚
こんにゃく……1/2
塩、しょうゆ…適宜
最近、おにぎり屋さんが流行っているとかいう新聞記事を目にした。和風ファーストフードというふれこみだった。確かにそういえないこともない。しかし一つ一つ手作り(手握り)にこだわっているという。そして、ひとつ作るごとに手を洗うという気の入れよう。とても「ファースト」とは言えないのに、値段はコンビニのおにぎりと変わらない。おにぎりはいいけれど、コンビニ食はどうもという人にはうれしいのかもしれない。この辺はひどく曖昧だ。そもそも「おにぎり」とは和食なのか、ファーストフードなのか、奥は深そうである。
駅弁のはしりは「おにぎり」だったが、駅弁はファーストフードといえるのかどうか。それともおにぎりだから和風ファーストフードなのか。そしてまた、「おにぎり屋さん」も一時の流行で終わってしまうのか、それはわからない。
スローフードというと、これからの進歩的なある種の食生活だと思ってしまうが、翻って考えれば、伝統的な食生活の見直し、もっとかび臭い言葉でいえば温故知新ではないだろうか。スローフードのそれらしい日本語訳はまだないが、あえて四文字熟語を選べば「温故知新」となろう。
■スローフード(slowfood)とは、
ファーストフードの対語としてイタリアで生まれた言葉と言う。
ある新聞によれば「食事くらいゆっくり食べよう」と載っていた。また、
日本スローフード協会のホームページでは、
「1 消えてゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、ワイン(酒)を守る。
2 質のよい素材を提供する小生産者を守る。
3 子供たちを含め、消費者に味の教育を進める。
イタリアのブラ(BRA)という片田舎からスタートしたN.P.O.(Non-Profit Operation)運動です。」とある。
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表紙 「 いちょうと道路標識」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森11月号■
結婚しました。……………………4
青春レストラン……………………5
スローフード………………………6
JCジャーナル……………………8
美術館案内・館林美術館……………10
風の独り言……………………………16
書評/絵本紹介………………………17
三鴨の窓辺から………………………18
各市文化会館情報……………………20
インフォメーション…………………22
[映画・CD・ビデオ・コンサートetc.]
イベント情報/協賛店マップ
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【本文抜粋記事】
どこか懐かしい
スローフード
「ふるさとの味おふくろの味」
スローフードの企画を考えていたときに、思いあたったのが「ふるさとの味おふくろの味」という本だった。同書を知ったきっかけは、知人の母親からいただいたコンニャク芋が大きく成長して、いよいよ手作りコンニャク造りに挑戦というときに、この本も貸して頂いだ。コンニャクの他にもいろいろと手作り食品や漬け物などの加工食品の作り方が載せてあって興味津々、いつしか愛読書になったしまった。
そして幾つかのレシピをこならの森でも紹介したいと、発行元の栃木県農業者懇談合に問い合わせてみたら、こころよく承諾していただいた。
肉食・肉料理が献立の中心の今、同本は昔ながらの野菜中心のレシピが多数紹介されている。試みに、数ある今の料理本のレシピの中から、肉魚類を全く使っていない料理を探してもらいたいと思う。「ほんだし」はもちろん、コンソメの素、肉類を使用したと思われる類のソース、だし入り味噌、など厳しく使用をチェックしていったら、全てが消えてしまうに違いない。それほど、肉中心の食生活になってしまっている。テレビでは野菜だけの料理を精進(料理)とまでいって一括りにしているほどだ。
同本には、しもつかれや昔懐かしいタンサン饅頭から唐沢山の松茸料理なども掲載している。残念ながら、現在は発売されていない(それに代わって「新しい味とちぎ」(1050円)という本は発売されているということだ)。しかも、聞き取りや執筆協力者により実際に日頃から作っている料理を紹介している。また郷土料理12ヶ月や日光輪王寺などの特別料理、民俗学からみたふるさとの食制など、貴重な資料も網羅している。
誰でも知っている料理から、聞いたこともない名前まで目次を見ているだけでも楽しい。全部は紹介できないが、幾つか紹介したい。
まず変わったところでは、ニラの花の酢のもの/つくしのから煮/つくしのピクルス/ズイキ(ヤツガシラのイモガラ)の保存食。名前で聞き慣れないもの(編者だけなのかもしれないが)に、「おつぼ(法事料理)」/「おこと汁(お講汁)」/「にごり」/ざくもり(お祭り料理)
■タンサンまんじゅうだけじゃない。
手作りまんじゅうも、きんとんまんじゅう/ヤマイモまんじゅう//地粉の工夫まんじゅう/みそ入りまんじゅう/牛乳入り小麦まんじゅう/酒まんじゅう/小麦まんじゅう/田舎まんじゅう/小麦(白色・褐色)まんじゅう/むしまんじゅうなど多数。
■残りごはんを利用
またやりくり主(夫)婦にうれしい、残りごはんのお菓子/冷やごはんの衣揚げ。
■今回はその中から2点ほど紹介いたします。
「おつぼ」
法事料理の一つです。作り方は簡単で、インゲン、サトイモなどの材料が片栗のトロミで、口当たりがなめらかになり美味しく、普段のおそう菜にもなります。
なおつめたくなるほど美味しいので、秋の農繁期の保存食の一つにしております。
1 白インゲンは水洗いし、指でつぶれ る程度にやわらかく煮ておく。
2 サトイモ、ニンジン、ゴボウ、こんにゃくを全部さいの目に切る。
3 鍋に、1、2、の材料を全部入れ、ひたひたの水、調味料を入れて、火にかける。
4 野菜がやわらかく煮えたら、ゆるく水溶きした片粟粉を入れてトロミをつける。
(小川町 川上さん)
■材 料
白インゲン…2合
サトイモ……5個
ニンジン……小1本
ゴボウ………小1本
こんにゃく…1丁
■調味料
しょうゆ…大さじ4
砂 糖……大さじ2
片栗粉……大さじ2
「おこと汁」
祖母が何かことある日にこしらえて、おこと汁といっていたので、私は何となくおこと汁と思っていましたが、あとになってお講汁、また、いとこ汁などと、いう似たような料理の記事を読んだことがあります。本当の名はしりません。
1 小豆は洗って一晩水につけ、翌日大鍋に水をたっぷり入れてことこと煮る。
2 ダイコンはいちょう切り、ニンジンは太ければ二つに割って、細ければそのままの薄い輪切り、サトイモも輪切り(野菜全部をけんちん汁の時のよううに切ればよい)。
3 ゴボウは斜めうす切りにして、水に放ちあくを抜き油揚げ、熱湯をかけて油抜きにしてから短冊切り、こんにゃくは油揚げくらいに切ってさっとゆでる。
4 小豆が八分通り煮えたところに、野菜を入れて煮る。野菜が煮えるころは小豆もつぶれるくらい柔らかくなっているから、油湯げ、こんにゃくを入れて、塩、しょうゆで味付けし、温かいところをいただく。(もし途中水が少くなったら適当に水をさしてよい。味加減はおすましより濃いめがよい)。
(宇都宮市 加藤さん)
■材 料
小 豆………カップ1
ダイコン
ニンジン
サトイモ………取り合わせ500gぐらい
ゴボウ
油揚げ………1~2枚
こんにゃく……1/2
塩、しょうゆ…適宜
最近、おにぎり屋さんが流行っているとかいう新聞記事を目にした。和風ファーストフードというふれこみだった。確かにそういえないこともない。しかし一つ一つ手作り(手握り)にこだわっているという。そして、ひとつ作るごとに手を洗うという気の入れよう。とても「ファースト」とは言えないのに、値段はコンビニのおにぎりと変わらない。おにぎりはいいけれど、コンビニ食はどうもという人にはうれしいのかもしれない。この辺はひどく曖昧だ。そもそも「おにぎり」とは和食なのか、ファーストフードなのか、奥は深そうである。
駅弁のはしりは「おにぎり」だったが、駅弁はファーストフードといえるのかどうか。それともおにぎりだから和風ファーストフードなのか。そしてまた、「おにぎり屋さん」も一時の流行で終わってしまうのか、それはわからない。
スローフードというと、これからの進歩的なある種の食生活だと思ってしまうが、翻って考えれば、伝統的な食生活の見直し、もっとかび臭い言葉でいえば温故知新ではないだろうか。スローフードのそれらしい日本語訳はまだないが、あえて四文字熟語を選べば「温故知新」となろう。
■スローフード(slowfood)とは、
ファーストフードの対語としてイタリアで生まれた言葉と言う。
ある新聞によれば「食事くらいゆっくり食べよう」と載っていた。また、
日本スローフード協会のホームページでは、
「1 消えてゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、ワイン(酒)を守る。
2 質のよい素材を提供する小生産者を守る。
3 子供たちを含め、消費者に味の教育を進める。
イタリアのブラ(BRA)という片田舎からスタートしたN.P.O.(Non-Profit Operation)運動です。」とある。
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