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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森185号

2008-06-24 | 101号~200号
       ■こならの森185号■2003.9発行
表紙 「 霧ヶ峰高原」
C・o・n・t・e・n・t・s

■こならの森10月号■

結婚しました。……………………4
青春レストラン……………………5
ドライブガイド「霧ヶ峰高原」」6
JCジャーナル……………………14
風の独り言…………………………16
書評/絵本紹介……………………17
三鴨の窓辺から……………………18
各市文化会館情報…………………20
インフォメーション………………22
 [映画・CD・ビデオ・コンサートetc.]
 イベント情報/協賛店マップ

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【本文抜粋記事】

風の独り言

おわら風の盆

ウィンズワールド山渓部 根本
 今、北陸自動車道の能ICを走行しています。まもなく富山市。八尾の町ももう直ぐです。
  又、今年もあの娘達に遭えます。抜けるような色白の美しい顔を菅笠に深深と隠し、派手な衣装を喪服の帯で締めて、音のせぬ、ゆるやかな踊りを見せてくれます。三味の低い調子に呼応する胡弓の旋律。甲高い歌い手の声。又、あの娘達に逢えます。
 11回目の八尾参り。初めて風の盆に出遭った時の感動は忘れられません。日本にこんなに静かな祭りがあるなんて、こんな夢のような空間がこの世にあるなんてと思いました。今、この「風の盆」が壊れかかっています。
 八尾の住民の皆さんの永い間の「風の盆」に対する労苦を思われます。祭りを守ることと来町する観光客の満足を考えることの板ばさみになっているような気がします。
 大勢の人が祭り見学に来過ぎているのです。23000人の住民に対し、230000人の見学客が押し寄せています。八尾の人達はこんなふうに解決を計りました。
 夜の12時までは観光客のための「風の盆」。午前0時からは住民のための「風の盆」、と考えて、12時までは徹底的に観光客にサービスしてくれました。どこの家でも玄関先に縁台を置いて誰でも座れるようにしてくれましたし、シャトルバスの発着所では、目の前で踊ってくれました。列車で来るお客様にはホームで一列になり踊りながら最終列車を見送ってくれました。僅かに10年前のことです。しかし今は、観光客が多すぎて縁台など置く余裕がありません。バスの発着所の近辺も踊りを披露するスペースが無くなってしまいました。駅のホームはもっとひどい状態で、人がホームから線路に落ちてしまう混雑ぶりで、踊りを見せてくれるなど夢のようです。
 これでは「風の盆」の情緒などありません。なぜこの様になってしまったのでしょうか。私は、私と同業の旅行業者のせいと思っています。八つ尾町では観光バスの制限をしていて、3日間で800台のバスにしか許可を与えていないのです。この程度なら、お祭りを十分楽しめる人数かと思うのです。(800台×40人=32000人)。しかし抽選に外れた旅行業者は、なんと富山駅で乗客を下ろし、列車を使って八尾に入ってきたのです(駅で3ツ目)。これだと競演会のチケットの心配もいらないし、高い駐車料(なんと30000円)もいらない。儲かればいいという考えです。祭りの維持など念頭にないようです。かくして町の人が考える予定客の10倍近い客が押し寄せることになってしまいました。しかも12時になっても帰らない。町の人達が楽しみにし、大事にしている夜流し町流しも思うように出来なくなってきています。同業として恥ずかしい話です。おわら風の盆は世界にも珍しい貴重な祭りです。日本の誇りです。同業の皆さん、貴重な日本の文化を守ろうではありませんあか。ルールを守って業務を遂行しようではありませんか。せっかく平和産業に従事しているのですから。


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