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ちまちま中間手続21

2024-09-25 21:35:36 | 仕事日記
弁理士近藤充紀のちまちま中間手続21

拒絶理由 3回目(審査官交代)
 本願請求項1~8係る発明における加硫促進剤、受酸剤、加硫剤等は、引用文献1~7にも記載されているように、エピハロヒドリンゴムの加硫系を構成するに当たって通常使用されている公知のものを採用したものにすぎないし、請求項9に係る発明は、請求項1~8に係る加硫用ゴム組成物を単に加硫したものにすぎない。また、本願請求項1~3に記載のような有機亜鉛化合物を用いたことにより、逆に加硫遅延作用が得られ、これにより・・・防止及び貯蔵安定性が得られたことが本願明細書の記載、特にその実施例から確認することができない(なお、引用文献5~7は、第1回目の拒絶理由通知書に挙げたものと同じ文献である)。


意見書
 本願組成物の(b)成分、すなわち2-メルカプトベンズイミダゾール、ジチオカルバミン酸類、キサントゲン酸類およびチオフェノール類の亜鉛塩からなる群より選択される少なくとも一種の有機亜鉛化合物は、加硫促進作用を有するものとして本願出願前から当業者間で良く知られた化合物である。 
 ところが、本願(b)成分の有機亜鉛化合物は、実際にこれを用いた実験で初めてわかったことであるが、加硫を遅らせる働きをする。すなわち、本願有機亜鉛化合物は、本願明細書の段落・・・にあるように、加硫遅延作用を発現し、それによって・・・防止効果および貯蔵安定効果をもたらすのである。 
 このような有機亜鉛化合物の作用は、一般的な加硫促進作用とは全く逆の作用であり、本願出願時において、加硫促進作用が予定される有機亜鉛化合物がこのような加硫促進とは逆の作用を有することは知られておらず、到底予想することはできない。 
 したがって、本願請求項1のように特定有機亜鉛化合物を貯蔵安定性のために使用することは引用文献の記載からは決して容易に想到できるものではない。 
 本願実施例の組成物において、有機亜鉛化合物として2-メルカプトベンズイミダゾール亜鉛の外に、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛および2-ベンズアミドチオフェノール亜鉛を用いた組成物について性能試験を行った(実験成績証明書の実験・・・)。その結果、これらの組成物では、本願(b)成分を含まない本願比較例の組成物および実験成績証明書の実験1、6~11の組成物に比べ、初期の・・・タイム(t5)が長いことから、加硫遅延効果が高くしたがって初期安定性がよいことが分かり、また、初期から湿熱保存3日後の・・・が小さいことから、貯蔵安定性が良いことがわかった。 
 よって、本願発明の効果は引用文献1からは到底予測できるものではない。

 引用文献1~7には確かに、本願の加硫促進剤、受酸剤、加硫剤等が記載されている。しかし、上記のようにニッケル塩を含まない加硫用ゴム組成物において、エピハロヒドリン系ゴム配合物の加硫が速くなり、かつ保存中に加硫が進行して粘度が上昇するなど貯蔵安定性の課題を解決しようという問題意識は、そもそも、引用文献1~7のどれにも存在しない。 
 したがって、これら引用文献から本願発明の課題を推考することは、到底不可能である。

 引用文献1の発明は、エピクロロヒドリン系重合体ゴムとアクリロニトリルブタジエンゴムとのブレンドゴム加硫用組成物において、有害な鉛化合物を含まない共加硫可能なブレンドゴム加硫用組成物を提供することを課題としたものであり、そもそも本願発明とは課題を全く異にするものである。 
 よって、同引用文献から本願課題を推考することは到底不可能である。 
 加えて、同引用文献の段落[0024]には加硫促進剤としてジチオカルバミン酸亜鉛が例示されているが、これは同段落に羅列されている多数の加硫促進剤の1つとして挙げられているに過ぎず、これを用いた実施例はない。 
 同引用文献の実施例7では促進剤としてジエチルジチオカルバミン酸テルルを含む組成物について性能試験が行われている。そこで、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛を含む補正後の本願実施例2の組成物においてジメチルジチオカルバミン酸亜鉛の代わりにジエチ ルジチオカルバミン酸テルルを用いた組成物について性能試験を行った(実験成績証明書の実験9)。また、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛を含む補正後の本願実施例4の組成物においてジブチルジチオカルバミン酸亜鉛の代わりにジブルジチオカルバミン酸テルルを用いた組成物についても性能試験を行った(実験成績証明書の実験10)。その結果、2-メルカプトベンズイミダゾール、ジチオカルバミン酸類、キサントゲン酸類、チオフェノール類の亜鉛塩を用いた本願組成物(補正後の本願実施例1~13および実験成績証明書の実験2~5)では、ジチオカルバミン酸テルルを用いた組成物に比べ、格段に加硫遅延作用が得られ、これにより・・・防止および貯蔵安定性の効果が得られることがわかった。 
 よって、同引用文献から本願発明の構成および効果を予測することは到底不可能である 。

 引用文献2の発明は、耐アルコール混合ガソリン性を改良した耐油性エピクロロヒドリンゴム組成物を提供することを課題としたものであり、これも本願発明とは課題を全く異にするものである。 
 よって、同引用文献から本願課題を推考することは到底不可能である。 
 また、引用文献2には、本願(b)成分、すなわち2-メルカプトベンズイミダゾール、ジチオカルバミン酸類、キサントゲン酸類およびチオフェノール類の亜鉛塩からなる群より選択される少なくとも一種の有機亜鉛化合物は、記載も示唆もない。 
 よって、同引用文献から本願発明の構成および効果を予測することは到底不可能である。

引用文献3~省略

 したがって、スコーチ防止および貯蔵安定性のために本願特定の有機亜鉛化合物を用いるという技術思想は、引用文献には全く見受けられず、本願請求項1による効果は全く予測できない。 
 よって、引用文献1~7のいずれにも本願発明の課題、構成および効果を伺わせるような記載はなく、引用文献1~7を組み合わせても本願請求項1およびこれを引用する請求項2~9の発明の構成および効果を推考することは到底不可能である。

特許査定

本願発明で用いた剤を用いた場合の作用と、従来から知られている同一の剤の作用とが全く異なる。

こちらにしても審査官にしても扱い難い件ではあったが、3回にわたる拒絶理由、3回目に、さらに上級と思われる審査官が登場してきた。

作用が違う点を実験証明書を退出することまでして主張して登録になる。

粗製物は多成分なので、どれかが、同一の剤の作用を全く異なる作用に導いたのではないかと推測している。



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ちまちま中間手続20

2024-09-21 21:27:37 | 仕事日記
弁理士近藤充紀のちまちま中間手続20

【請求項1】多孔質担体に、ア酸および/または有機ア化合物が担持されていることを特徴とする・・・吸収剤。
【請求項2】さらにアルカリ水酸化物が担持されていることを特徴とする請求項1記載の・・・吸収剤。
 【請求項3】多孔質担体に、ア酸と、有機ア化合物および/またはアルカリ水酸化物とが担持されていることを特徴とする・・・吸収剤。

拒絶理由
新規性・進歩性

意見書
本日同時提出の手続補正書にて、拒絶理由が通知された旧請求項1および2 を削除し、拒絶理由が通知されていない旧請求項3を新請求項1とした。

当初クレームが構成要件も少なく、非常によくできていた。うまく都合の良い引例を引き出せたのではないかと思われる。クレームが自作でないのが残念
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ちまちま中間手続19

2024-09-18 21:18:21 | 仕事日記
弁理士近藤充紀のちまちま中間手続19

拒絶理由
新規性・進歩性

意見書
 本願請求項1によれば、従来必要であった汚泥沈殿槽、余剰汚泥引き抜き装置、汚泥返送ポンプ、汚泥濃縮設備、汚泥処理設備が不要となり、余剰汚泥処理プロセスが簡略化されると共に、好気性処理槽によって排水と汚泥の同時処理が可能になる。しかも、好気性処理槽によって汚泥を好気的に生物処理するので、その運転操作が容易であり、処理速度が迅速であるといった効果も得ることができる。

 引用文献1の方法は、嫌気性生物処理方法であり、好気性生物処理方法である本願請求項1とは異なっている。 
 また、好気性生物処理方法と嫌気性生物処理方法とでは、温度、pH等の処理条件が当然異なるので、引用文献1の方法に基づいて本願請求項1に容易に想到することはできない。

 本願請求項1は好気性生物処理方法であり、引用文献1は嫌気性生物処理方法であるので、引用文献1に引用文献2の「熱交換して生物学的酸化処理に返送すること」を組み合わせても、本願請求項2の方法と同一にはならない。また、引用文献1と引用文献2とを組み合わせても本願請求項2に容易に想到することはできない。

 引用文献2、3には、余剰汚泥を減容するための処理として、加熱とともにアルカリを用いることが開示されている。 
 しかしながら、引用文献2では、水酸化アルカリの如き強アルカリを添加しており、pHを制御していないので、pH10以上の強アルカリ条件になる。このような強アルカリ条件であると、後の中和反応による金属水酸化物析出反応によって析出する有機排水や汚泥中の無機物の量が大量になり、配管閉塞の障害が引き起こされ、別途、固液分離装置を設ける必要がある。本願請求項1では、pHを7~10に制御するので、引用文献2のような問題は生じない。

拒絶理由
 請求項1記載の「汚染混合液」及び「汚染加熱槽」は、それぞれ「汚泥混合液」及び「汚泥加熱槽」と同様の構成を指すのか否か不明瞭である。

意見書
補正にて

特許

本願発明が好気性」であるのに対して引用文献1は「嫌気性」である点で異なる。この点が認められれば、新規性・進歩性主張できる。

意見書の頭の部分で、本願発明の効果を記載した。そこで、なにげなく「好気性」を数度使って説明。なにでに、その辺が効いている。

「引用文献2、3には」以下は、要らないかもしれな。ただ、意見書作成時に、主要な論点が認められない場合、予備的に記載しておいたほうがいいか、との判断で記載した。
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ちまちま中間手続18

2024-09-15 21:27:19 | 仕事日記
弁理士近藤充紀のちまちま中間手続18

拒絶理由
新規性・進歩性

意見書
 本願発明の・・・組成物は、・・・系ゴムに。。。化合物を配合することにより、耐熱性を向上させることができ、さらに、・・・塩等から選択れる接着賦与剤が配合されているので、耐熱性および接着性の双方を向上されることができる。

 引用文献1に記載されたステアリン酸錫は、アルキル基を含まない有機錫化合物であり、この点で、同文献の組成物はアルキル基を2つ含むジアルキル有機錫化合物を含有する本願請求項1の組成物と異なっている。 
 したがって、本願請求項1の発明は引用文献1の発明と明らかに相違し、本願請求項1は新規性を有する。

 出願当初の本願明細書の段落番号・・・に記載されるように、・・・系ゴムにDBU等の接着賦与剤を配合すると接着性はもちろん向上するが、同剤が・・・組成物の耐熱性に悪影響を及ぼすことがある。このような問題はどの引用文献においても認識されていない。 
 本願発明はこの新たな問題、すなわち、接着賦与剤の配合に因って生じる・・・ゴム組成物の耐熱性低下の問題を解決することを目的とするものである。 
 引用文献1の接着賦与剤と引用文献2の特定の有機錫カルボン酸とを配合しても、耐熱性および接着性の双方を向上させることができるかどうかは、実際に配合してみなければ分からないことである。 
 本願請求項1では、実施例に示すとおり、実際にジアルキル有機錫化合物とDBU等の接着賦与剤とを含有させることにより、加硫用ゴム組成物の耐熱性および接着性の双方を向上させることができ、このことは引用文献1および引用文献2の記載から決して容易に想到することはできない。

 上述したように、本願発明は、・・・系ゴムにDBU等の 接着賦与剤を配合すると接着性はもちろん向上するが、同剤が・・・組成物の耐熱性に悪影響を及ぼすことがあるという新たな問題を解決することを企図したものであるが、このような問題はどの引用文献においても認識されていない。引用文献3のブチル・すず・マレート系安定剤と引用文献1の接着賦与剤とを配合しても、耐熱性および接着性の双方を向上させることができるかどうかは実際に配合してみなければ分からないことである 。 
 本願請求項1では、実際にジアルキル有機錫化合物とDBU等の接着賦与剤とを含有させることにより、加硫用ゴム組成物の耐熱性および接着性の双方を向上させることができたものであり、このことは引用文献1および引用文献3の記載から容易に想到することはできない。

拒絶査定
 出願人は意見書において「耐熱性および接着性の双方を向上させることができるかどうかは、実際に配合してみなければ分からないことである。」と主張しているが、出願人の上記主張は引用文献1-3を組み合わせることの妥当性を否定するものではなく、また、本願発明の効果は引用文献1-3から当業者が 予測し得ないものであることを裏付けるものでもない。

「してみなければ分からないことである」という主張は、進歩性理由には使えないことが改めて思い知らされた。作成時に冷静さを欠いたかもしれない。

拒絶査定には、親切にも、本来どうすべきかも示唆されている。「引用文献1-3を組み合わせることの妥当性を否定するものではなく」というのは、その後、第1に考えるようになった。
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鹿児島方面へのツー  5

2024-09-12 22:06:42 | ツーリング
6月3日の日記

この日の最初の行く方向は、昨日の続き

草見の石垣棚田

鹿児島県日置市とある。

昨日の最後の行き先と同じ市内にありながら、使う国道が違う。

鹿児島は、簡単に西のほう、とかあまり考えずに走ってしまうと、思わぬところに運ばれてしまう。

注意しつつの走行。

1回間違えたが、すぐに挽回できた。

県道に入ってしばらく、田舎道に入る。

棚田の看板あるところに出た。

バイクを停めてしばらく見るタイム

時期的にはいい時期だったと思う。

思ったほどには紫陽花がなかった。











棚田の後は、国道に入って北上。

昼過ぎころに、橋を渡る

橋を渡ってすぐの道の駅にて休憩。

ここで昼飯処を検索

あらかぶ亭

あらかぶの定食を頂く。

初めて頂いたが、煮付けも刺身も美味い「あらかぶ」

次来たときもこれにしよう。







しばらく長島中を走る。YouTubeで事前調査して、この島、強くお勧めされていたので、今回のツーのお楽しみの時間である。

海沿いを1周する感じに走る。段畑と海と別荘的な家がええ案配で風景的に素晴らしいな。

そのうちに、港に出る。

天草方向に行くやつみたい。ちょうどフェリーが来てたので、乗ったろかな、というのも頭によぎる。

乗らずに港からちょっと行ったところで、バイクと海の写真撮る。

いい感じのものが撮れた。





またしばらく道なりに。

展望台を目指す。

ちょっと探して着いた。

針尾空中展望トイレ

トイレが一番いいところにあって、展望台を兼ねている感じ。










もうそろそろいい感じの時間になったので、島から出て、熊本方向へ。

熊本にまで着かなくてもよかったが、適当なホテルもなかったので、結局、熊本まで走ってしまった。

走行距離 280.8km
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