弁理士近藤充紀のちまちま中間手続19
拒絶理由
新規性・進歩性
意見書
本願請求項1によれば、従来必要であった汚泥沈殿槽、余剰汚泥引き抜き装置、汚泥返送ポンプ、汚泥濃縮設備、汚泥処理設備が不要となり、余剰汚泥処理プロセスが簡略化されると共に、好気性処理槽によって排水と汚泥の同時処理が可能になる。しかも、好気性処理槽によって汚泥を好気的に生物処理するので、その運転操作が容易であり、処理速度が迅速であるといった効果も得ることができる。
引用文献1の方法は、嫌気性生物処理方法であり、好気性生物処理方法である本願請求項1とは異なっている。
また、好気性生物処理方法と嫌気性生物処理方法とでは、温度、pH等の処理条件が当然異なるので、引用文献1の方法に基づいて本願請求項1に容易に想到することはできない。
本願請求項1は好気性生物処理方法であり、引用文献1は嫌気性生物処理方法であるので、引用文献1に引用文献2の「熱交換して生物学的酸化処理に返送すること」を組み合わせても、本願請求項2の方法と同一にはならない。また、引用文献1と引用文献2とを組み合わせても本願請求項2に容易に想到することはできない。
引用文献2、3には、余剰汚泥を減容するための処理として、加熱とともにアルカリを用いることが開示されている。
しかしながら、引用文献2では、水酸化アルカリの如き強アルカリを添加しており、pHを制御していないので、pH10以上の強アルカリ条件になる。このような強アルカリ条件であると、後の中和反応による金属水酸化物析出反応によって析出する有機排水や汚泥中の無機物の量が大量になり、配管閉塞の障害が引き起こされ、別途、固液分離装置を設ける必要がある。本願請求項1では、pHを7~10に制御するので、引用文献2のような問題は生じない。
拒絶理由
請求項1記載の「汚染混合液」及び「汚染加熱槽」は、それぞれ「汚泥混合液」及び「汚泥加熱槽」と同様の構成を指すのか否か不明瞭である。
意見書
補正にて
特許
本願発明が好気性」であるのに対して引用文献1は「嫌気性」である点で異なる。この点が認められれば、新規性・進歩性主張できる。
意見書の頭の部分で、本願発明の効果を記載した。そこで、なにげなく「好気性」を数度使って説明。なにでに、その辺が効いている。
「引用文献2、3には」以下は、要らないかもしれな。ただ、意見書作成時に、主要な論点が認められない場合、予備的に記載しておいたほうがいいか、との判断で記載した。