コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

文化とコスト

2005-02-13 19:57:05 | 
企業メセナの雄、資生堂は、掛川に、入館無料の美術館・資料館を持っている。
これは、しかし、相当例外。
静岡県・静岡市、ともに、博物館・文書館を持っていない。これもまた、例外中の例外。
何に、どう、資金をつぎ込むか、と言うこと。役所がぼろい街の方が住み心地は良いし。

昨夜、「徳川家康公の駿府大御所時代 ~記念講演会とシンポジューム」に参加してきた。
家康が駿府に隠棲してまもなく400年というので、記念イベントを、と言うのが表向き。
一方で、博物館を作ろう(作れ)、と言う長年の運動の一環、と言う側面も強い。

さしあたって無くてはならないモノだから、作るべきなんだけれど、そのとき、客は来るのか、収入は十分保証できるか、と言うような話になって、必ず、いや、文化は採算を度外視してでもやらなきゃいけないんだ、と言う意見が出る。

大学の文科系も同じように、金を産まない学問だから立場が悪い。

しかし、いつまでも、「採算度外視」を掲げていても話は前に進まないのも確かじゃないか。

どう転んでも、収益を上げるのはきつい。それでも、一般市民が、郷土史の資料や地域にまつわる様々な「お宝」を手に取ってみたい、そういう場所が必要だ! と言うことを認識し、金を払ってでもそういうところに出かける意志があることを示すべきだし、そういう施設を持とうとしない県や市を情けないと感じ、それを選挙の争点にするくらいのパワーを持たないと。

政治家は、その「箱」が儲かるかどうかじゃなく、自分が当選するための有益かどうかで動いている。市民パワーが、文化を大事にすれば、奴らも動くのだ。

結局、今のところ静岡にそういうモノが出来ないのは、市民が文化を大事にしてないからだと行って、間違いない。
心ある人は沢山いるけれど、現実はそうでしょ。

「啓蒙」というのは本当におこがましいけれど、まずは、無関心な人々を面白がらせるところからしかことは進まないんじゃないか、と言うのが私の考え。


博物館に何を収めるのか。
選別。
「文化財」の価値?

どう見せるのか、見せないのか。

民間・大学・自治体。それぞれの力を出し合って、面白いことをしてみたいです。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 贈答 | トップ | 民産官学 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
金で買えないものもあるのにっ。 (E.Yamazaki)
2005-02-15 21:48:48
文科省も財団も、目に見えて金にならない研究にはなかなかお金を落としてくれませんね。理学部も相当不利です。基礎研究だから、明日明後日にすぐ役立つわけじゃあないのでなかなかわかってくれません。あ、愚痴になってしまいました。



文化は人の心を豊かにします。

文化の豊かなところは街の雰囲気も良いと信じています。これはあってるんでしょうかねぇ?

金でどうにかなるものじゃあないのに、どうして目に見える尺度でしか物事をはかれないんでしょうね、公というものは。

返信する
その価値、プライスレス。 (E.Yamazaki)
2005-02-15 21:53:08
文化の豊かさは金では買えないのに。

目に見える尺度でしか物事をはかれないんだなぁ、公というものは。

文化の豊かさと街の雰囲気のよさは相関があると勝手に思ってるのですが、これは真ですかね?



地味な基礎研究をしている理学系にも冷たいですよ、文科省や民間財団。基礎があるから応用があるんだぞっ!(あぁ、愚痴になってしまった・・・)
返信する
Unknown (Unknown)
2005-02-15 21:53:50
あぁ、エラーで二重投稿になってしまいました、すみません・・・;_;
返信する

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事