昨日の朝、清々しい気分で撮った写真なんだけれど……。
今朝の気分はかなり違う。
自転車の事件は本当に憤ろしい。
それがひとつ。
「静岡の文化」“山々対談”は、成功したと言っていいんでしょう。
お二人も、喜んでくださったし、受講生・聴衆の反応も良かったと思う。
物足りなさは残るけども、嬉しかった。
またやりたい。
そのあとの呑み会、またそのあとも、楽しかった。
しかし、また悔しさもあり。
足りない。何を言われても、自分が満足できなければ、足りない、としか言いようがない。
“知足安分”では生きられない。向上心。野心。
自分は変わらないのだけれども。
自分は何者なのか。終わらない問いかけの中に。
「やれ、いたわしや。因果(いんが)な病にかかったものじゃ。この病にかかったが最後、百人のうち九十九人までは惨(みじ)めな一生を送らねばなりませぬぞ。元来、我々の中にはなかった病気じゃが、我々が人間を咋(く)うようになってから、我々の間にもごくまれに、これに侵される者が出てきたのじゃ。この病に侵された者はな、すべての物事を素直に受取ることができぬ。何を見ても、何に出会うても『なぜ?』とすぐに考える。究極の・正真正銘(しょうしんしょうめい)の・神様だけがご存じの『なぜ?』を考えようとするのじゃ。そんなことを思うては生き物は生きていけぬものじゃ。そんなことは考えぬというのが、この世の生き物の間の約束ではないか。ことに始末に困るのは、この病人が『自分』というものに疑いをもつことじゃ。なぜ俺(おれ)は俺を俺と思うのか? 他(ほか)の者を俺と思うてもさしつかえなかろうに。俺とはいったいなんだ? こう考えはじめるのが、この病のいちばん悪い徴候(ちょうこう)じゃ。どうじゃ。当たりましたろうがの。お気の毒じゃが、この病には、薬もなければ、医者もない。自分で治(なお)すよりほかはないのじゃ。よほどの機縁に恵まれぬかぎり、まず、あんたの顔色のはれる時はありますまいて。」
「吾浄出世」 中島敦 『青空文庫』
アップダウンの大きな一日だった。
今朝の気分はかなり違う。
自転車の事件は本当に憤ろしい。
それがひとつ。
「静岡の文化」“山々対談”は、成功したと言っていいんでしょう。
お二人も、喜んでくださったし、受講生・聴衆の反応も良かったと思う。
物足りなさは残るけども、嬉しかった。
またやりたい。
そのあとの呑み会、またそのあとも、楽しかった。
しかし、また悔しさもあり。
足りない。何を言われても、自分が満足できなければ、足りない、としか言いようがない。
“知足安分”では生きられない。向上心。野心。
自分は変わらないのだけれども。
自分は何者なのか。終わらない問いかけの中に。
「やれ、いたわしや。因果(いんが)な病にかかったものじゃ。この病にかかったが最後、百人のうち九十九人までは惨(みじ)めな一生を送らねばなりませぬぞ。元来、我々の中にはなかった病気じゃが、我々が人間を咋(く)うようになってから、我々の間にもごくまれに、これに侵される者が出てきたのじゃ。この病に侵された者はな、すべての物事を素直に受取ることができぬ。何を見ても、何に出会うても『なぜ?』とすぐに考える。究極の・正真正銘(しょうしんしょうめい)の・神様だけがご存じの『なぜ?』を考えようとするのじゃ。そんなことを思うては生き物は生きていけぬものじゃ。そんなことは考えぬというのが、この世の生き物の間の約束ではないか。ことに始末に困るのは、この病人が『自分』というものに疑いをもつことじゃ。なぜ俺(おれ)は俺を俺と思うのか? 他(ほか)の者を俺と思うてもさしつかえなかろうに。俺とはいったいなんだ? こう考えはじめるのが、この病のいちばん悪い徴候(ちょうこう)じゃ。どうじゃ。当たりましたろうがの。お気の毒じゃが、この病には、薬もなければ、医者もない。自分で治(なお)すよりほかはないのじゃ。よほどの機縁に恵まれぬかぎり、まず、あんたの顔色のはれる時はありますまいて。」
「吾浄出世」 中島敦 『青空文庫』
アップダウンの大きな一日だった。
ゆっくり、焦らず。
ありがとうございます。
くてくてさんもね。
でも、自分について問いただしたくなる日々ではありますねぇ。
そろそろネタつきてきた。
いっしょにいても全然そんな雰囲気は無いし、むしろエネルギッシュに先頭を走っている方のような印象です。
ちょっと「欲張り」なんじゃないですか?
必要なものは既に手に入れているんじゃないでしょうか?
アハハ!すいません!
満足してしまったら先がないとも思うし。
でも、そんな立派な向上心とは全く別の所で、うじうじといじけている自分がいるのです。
単純に、勝てない! って言う感覚。
くやしい。
比較する意味なくても、比較しちゃう。
で、悔しい。
でも、努力はしない。
そういえば、先週、蒲菖亭さんは、金で買えない全ての物は手に入れた、と宣言してました。
この先そういう物が現れても、手に入れられる確信がある、と。
憶えてないんだろうな。
「金持ちが父の国にはいるのは、ラクダが針の穴を通るより
難しい」
「捨ててこそ!」
「なにも持っていないから、全てを掌握しているのだ」
この「悟り」の一歩手前に、人生のだいご味がありますね。
あぁ!楽しみだな~