木のおもてなし

桜の木の前のスペースに駐車させていただき、東京からの友人の到着を待っている時、
「この我が家の桜の木から、何かメッセージが聞こえませんか？」
と聞かれました。

その時は、
「こんな出かける前に聞かないで！」
というような桜の声が聞こえたのですが…。

その彼女の車に乗り換え、彼女の運転でパワスポめぐりに出発。
富士山周辺のいくつかの神社をまわり、白糸の滝に大はしゃぎ。
東京の友人たちが大満足して帰って行った、
その翌日のこと。

ふとあの桜の木の声が耳に飛び込んできました。
「木の下で家族みんなで写真を撮って欲しい。思い出として残してもらえればそれで満足。」

桜はみんなに喜ばれたいと思って咲いていた。
みんなの姿を見守るのが好きだった。
お役に立てれば大満足。

わたしの車も、東京の友人の車も、
この桜の木のあたたかい眼差しに守られ、
見送られながら無事に楽しく帰路についたように、
桜はいつも静かに静かに立っていました。

桜にも、１日中運転してくれた彼女にも、
「ありがとう」の１日でした。