何もない部屋の中で、しょぼんと置かれていた一本のバラ。
ある日そこに日差しが射し込み、顔を上げると太陽が手招きをしている。
バラは、外に出てみた。
身体が宙に浮いた。
浮いて驚いたら、だれかが手を繋いでくれた。
ひまわりだ。
ひまわりがニコニコ顔でバラを見ている。
太陽とひまわりと薔薇。
今朝、三角形のシルエットが青空の中で出会った瞬間を見た。 . . . 本文を読む
この世からあの世に続く道が見える。
ただ一本の道で、一歩ずつ歩きやすいように滑り止めもついている。
子どもの頃、誰かに聞いたことがある。
「お彼岸の時期に亡くなる人は、もうそれは生まれる前からその日に帰ろうと決めてきている人なんだよ。」
と。
歩きやすい、迷いようがない一本道を見て、「ああ、こういうことなんだな。」とひとり納得をした今朝のこと。 . . . 本文を読む
空から突然降り出してきたものに、最初は戸惑うかもしれない。
一瞬だまりこむかもしれない。
がっ、しばらくポカンとしたあと、両手を高く広げて大喜びする姿が見えてくる。
次々と地上に降ってくるものは、暖かい太陽からこぼれ落ちる光の雫だと気づく。
太陽が笑っている。
太陽の笑い声を全身で受けとめる姿が見えてくる。 . . . 本文を読む
がんばっているんだな。
今日までこんなにがんばってきたんだな。
このバラのようなカーネーションのような花々は、そのご褒美なんだな。
次から次へと淡い色の花々が現れては、水蒸気のように空に向かって行く。
空に昇ったその花々は、やがて雨となる。春の香りのあたたかい雨に生まれ変わって、あなたに、誰かに、そして未知の新しい命にやわらかく降り注ぐ。
今朝の遠隔で見えたもの。 . . . 本文を読む