木漏れ日日記

日々、多くの人たちとのふれあいの場所が欲しくて綴る日記です。
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美の女神、現れた!

2021-04-12 20:13:22 | 日記
ふだんほとんど歩かない私には、山道は無理だろう、、と思いながらも歩き始めてしまった。

第八十一番白峯寺から第八十二番根香寺まで続く遍路道。
ゴロゴロの石ころにスベってはよろけ、まつぼっくりの上を歩いてしまい、またまたよろける。

案内書によれば、7.5km、1時間50分。
歩き始めちゃったのだから、この一本の道を、一歩一歩歩くしかないのだよ。

白峯寺に行くまでに、すでにバス停から3.5km歩いているから、今日は私にしてはよく頑張ってる。
人に会う気配はないけれど、どうかイノシシにも会いませんように。
そんなことを思いながら、コツコツ歩く。そしてまた歩く。

登り坂が続く。
おー、ラッキー、今度は下り坂!と喜べば石ころにつまずく。
しょうがないなぁ~、でもこんなお遍路をするのは一生に一度、がんばれ私、偉いぞ私。

そんなことを思っていたら、ふと後ろに何か気配を感じ、振り向くと、そこにはTシャツに短パン姿の女性。
その後ろにもう1人走り近づいてくる女性が見える。トレランだ。

あっ、私、進路塞いでしまった!
とあわてて横に避けると「ありがとうございます」と元気な声でニッコリ。そしてあっという間に姿が小さくなっていく。

今のは、なんだ!?
このゴロゴロ道をあっという間に駆け抜けた女性二人。
この女性たちが、20代や30代くらいの年齢なら、私もそう驚かないのだけど、よく見たところ推定年齢50代後半~60代前半。
よろけもつまづきもせず、大股で走り抜けて行った。

あぁ、神さま、仏さま、お大師さま、
私は、最初で最後、もう歩くことはないと思っていたこの道だけど、こんなに容易く抜かれるってどういうこと?
頑張って偉い!と思っていた私、全然偉くないじゃん。

というか、まだまだこれから、始まったばかり。
今のヘロヘロで歩いている私で、終わろうはずがない。
見よ、あの走り抜ける姿こそが未来の私の姿だ。

突然こころに光が差し込んできた。

その後この二人の女性には根香寺の手前1.5kmくらいのところで再会。あちらは根香寺から折り返して来たのだろう。

「素晴らしいですね!」
と思わず声をかけると
「いえいえ、そんなことないです。あと少しで着きますよ!」
とニッコリ微笑み、走り去って行った。

歩く意欲、生きる意欲が俄然湧いてくる。

颯爽と走り抜ける姿。
美の女神さま。
美しくあれ、と、道を照らしてくれている。



















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