コタロウの耳が遠くなって、
花火や雷や電車の音に怖がらなくなったのは喜ばしい。
でも、食器の触れ合う音は聞こえるらしく
私が洗い物を始めると、足を痛めてからもびっこでも避難する。
ただ、フェンス1枚隔てただけなんだけど、これでOK的な?
自分からフェンスに入って行くなんてね
ま、開けっ放しだけど。
お鍋を重ねる音も聞こえるわね。
そっと、できるだけ音を出さないように気を付けていて
逆にヘマして大きな音を出してしまうときがあって
コタロウが飛び起きて動くのを見ると、さらに足を痛めないかと心配になって
ヘマした自分にバカバカ!と反省する。
一番聞こえてほしい「私の声」は全然聞こえていないみたい。
これは本当にさびしいことだ。
人の最期の時、耳だけは聞こえているからいっぱい声をかけると伝わる、と聞くけど、
コタロウにはもう私の声は届かないの?
大きな声で、じゃなく、私がいつも呼ぶ時のような、
話しかける時のような声をコタロウに聞いてほしいのに。
私と目が合っていれば、「おやつ」と言えばちょっと嬉しそうな顔をするから
口の動きで少しは何を言っているかわかるのかも。
手をたたく音は聞こえるようなので、
コタロウと話したいときは、先に軽く手をたたいて視線を合わせている。
そして、今までと変わらぬトーンでコタロウに話しかけている。
コタロウが聞こえなくなったと気づいてしばらくは、
かなり落ち込んだけど、今はだいぶ持ち直した。
聞こえても聞こえなくても、たくさんコタロウに話しかけよう。
今までと同じようにコタロウの名前を呼んで、いつものように褒めて
私がどんなにコタロウを好きか、毎日コタロウに届けよう。
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