最近、
会話がとぎれない話し方
といった内容の本が売れているようです。
読んでみたことはありませんが、
広告などで見る限り、
「相手の感情に注目する」ことがポイントのようです。
「相手の感情に注目する」
これは、コーチングをするときのポイントだよなあ、と思ったので、
世の中に出ている本のこととは関係なく
(本のことを知りたいと思っていた人、ごめんなさい)
このことについて、ちょっと書いてみたいと思います。
●コーチが聴き取るもの●
コーチというのは、
基本的に相手の方の話を聴くのが仕事なのですが、
相手の話の「何」を聴くのか、というと、
実は色々あります。
たとえば、本気度。
話し手は、言っていることをどこまで本気で、やりたいと思っているのか?
たとえば、お金、健康、人間関係、仕事、家庭などの、ライフバランス。
どんなに仕事で成果を出したとしても、
体を壊したり、家庭を壊したりしては、元も子もありません。
話し手は、それをわかった上で話しているのか?
話し手(コーチングでは「クライアント」と言います)にとって、
「幸せ」であることはどういうことか?
それらを聴き、共に考えます。
そのほか、大切なのは
クライアントのニーズや価値観、信念や思い込み。
(これについては、また改めて書きたいと思います。)
今話しているのは過去のことか、今のことか、未来のことか?
そんなアンテナも立てます。
そして、忘れてならないのが「感情」です。
いま、クライアントは嬉しいのか、悲しいのか、怒っているのか、
ワクワクしているのか、不安なのか・・・
●「感情」を聴き取ることの大切さ●
「感動」という言葉はあるのに、「理動」とか「知動」という言葉は耳にしないように、
人を動かすのは、結局、感情(気持ち)だと思います。
理屈がわかっても、動けないときは動けない。
理屈がわからなくても、動けるときには動きます。
結局、行動はカラダでするものですから、
感情は大切です。
にもかかわらず、人は自分の感情が、いま、どうなっているのか、
わからないことも多いものです。
特にそれがネガティブ系の感情である場合、
そうしたものは、外に表さないように家庭や社会から馴らされてきたからか、
自分でも感じないフリをしてしまい、
やがてわからなくなってしまうのかもしれません。
そこに、光が当たり、名前がつくと、
不思議と気持ちの整理がつきます。
モヤモヤの正体がわかると、
自分で自分を手のひらに載せて見るかのように、
自分自身を把握できるようになるからだろうと思います。
それはちょうど、体の不調を病院で調べてもらったら、
原因がわかった、というのに似ているかもしれません。
原因がわかり、病名がつけば、
治療の方法もわかり、ちょっと安心してすっきりしますよね。
また、「共感」の持つパワーのすごさも忘れてはいけないですね。
「二人でいると、喜びは2倍に、悲しみは半分になる」
といった言葉がありますが、
まさにその通りで、
話す相手が「そうだよね」「いいね!」「大変だったね」
などと自分の気持ちを理解してくれたことがわかると、
それだけで、とても嬉しいものです。
辛くても、頑張ろうと、また立ち上がる力が湧いてきたり、
喜びをさらに大きく感じられたり。
●「感情」に注目すると会話が豊かになる●
・・・というわけで、
人は誰かに、自分の感情についての共感やフィードバックをもらうことが
とても大事になります。
それをもらえると、パワーが湧いてきたり、
自分で自分の気持ちや考えを深めたり整理したりできるからです。
だから、会話の相手が自分の感情を聴き取ってくれると、
「聴いてもらった〜」という感覚が持てて、
どんどん話したくなり、
話も深まっていくのでしょう。
聞き手は、あえて自分の話をしなくても、
聞き役に回るだけで、相手がどんどん話してくれます。
そして、「会話がとぎれない」状況になる、というわけですね、きっと